変化を楽しむ服。
クリーニングではタブーとされている事があります。
それは裏返すと、クリーニングの目標、求めていることとも言えるんです。
それは、匂いをつけないことと、変化をさせない事。
クリーニングでは無臭がいいとされてるし、匂いがあるということは悪いこととされています。
また、変化をさせない、ということは、縮ませないとか色をあせさせない、というようなことで、クリーニング屋さんからすると劣化させない、という意味でも使われていたりします。
しかし、そんなクリーニング屋さんの思惑と違うものもあるんですよね。
先日、録画したテレビを見ていました。
岡山を回る番組で、ジーンズを買うシーンが映っていたんですね。
その中の店員さんとの会話は、僕らクリーニング屋さんにはある意味新鮮。
こんなことを言うわけですよ。
このジーンズはお客様が着て育てていくんです。
着て育てていく?
さらに会話は続きます。
すでに加工されたものはないんですか?と言う問いに、うちではやってないけどあそこの店ならやってると思います、と紹介されていたんです。
で、行ってみると、ダメージ加工されたジーンズや色があせてるジーンズが。
でも、やはり、おすすめは自分で育てるジーンズなんですよね。
育てるのは何か?
つまり、自分で着用をしていって、着用感を出すことらしいんですね。
擦れたり、切れたり、穴があいたり、色が薄くなっていったり。
そうして、育てていったものが最高だ、と言うわけですね。
クリーニング屋からしたら全部タブー。(笑)
元の状態のまま、できるだけ維持するためにクリーニングをしているのに、いろがあせるのがいい、穴があくのがいい、とは。
ところ変われば求めるものも変わりますね。
そういえば、服を扱う人はわりと変化を楽しむ人もいるんです。
変化というと聞こえは良いけど、要はヘタって劣化しているんですけど、それが良い、という人もいます。
昔、買ったばかりのジーンズは安いチェーン店のクリーニング屋に一度出してから着る、という人がいました。
理由は、そこのクリーニング屋に出すと縮むから、と。
そんな使い方あるのか、と驚いたものです。
服の価値観もどんどん変わってきてます。
クリーニングに求められる品質も変わってきているのかもしれないなあ。
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