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不織布のマスクを洗う意味は?

不織布のマスクの洗い方が色んなところで拡散されています。

長野市のファッションケア明和の小池さんが作った動画。

雑誌に載ったり、テレビで報道されたり、ネットではシェアされたり真似する人が続出しています。


それだけマスクの入手が難しくて困っている人がいる、という事なんでしょうね。


さて、たくさんの人が見ると、反対意見の人も当然出てきます。

僕が見た中で反対意見はこんな感じ。



マスクは洗ってはいけない。マスクの効果がなくなるから。


専門家でもないのに勝手にやるな。



そもそもアルコールが手に入らないから出来るわけない。


言いたいことも分からなくはないんですけどね。

面と向かって言われていれば、説明も出来るんですが、何しろネットでのコメントは言いっぱなしだし誰だか分からないし。

説明のしようがないのが難しいところ。


でも、見ている人はいるだろうし、それを見て不安に思う人も出てくるでしょう。


ちょっと説明をしていいですか?(笑)



まず、専門家でもないのに、というご意見、確かに僕らクリーニング 屋は医療関係者ではありません。

しかし、僕らは洗う専門家なんです。

テレビでたくさんの医療関係者が色々と説明をされていますが、洗うということに関しては、残念ながら僕ら異常とは言えません。


界面活性剤で落としているのか、ウイルスそのものを不活化させているのか、消毒、殺菌という曖昧な言葉を使って説明をしているんですが、結構間違っている事があるんです。


ウイルスの知識は医療関係者の方の方が詳しい。

でも、洗うのは僕らの方が詳しい。

今回のマスクの件は、色んな情報を集めて、マスクの衛生環境を守る、という視点で、汚れを落とす、除菌する、というレベルで洗いの専門家であるクリーニング 屋さんが考案したものです。


どうしてこの様な作業を?と言われたら、僕らは全部説明が出来ます。

一つ一つの作業には意味があるし、洗剤ひとつとっても、それを選んでいる理由があるわけです。


テレビで、簡単に石鹸で、とか界面活性剤で、とかいう人がいますが、そんな簡単な話ではなく、洗剤、石鹸も特性が違うので、なんでもいいわけではないんですよ。


洗い方、落とし方、というのは僕らの方が一日の長があると言うことはご理解いただきたいと思います。



マスクの性能が落ちる件、はおっしゃる通り、洗うとマスクの性能が落ちます。

これはマスクがどうやって花粉やウイルスを捕まえているか?という話につながるんですが、簡単に説明をするとですね、そもそもマスクの穴の大きさとウイルスでは大きさがかなり違うんです。

ウイルスはマスクをすり抜けてしまうくらい小さいをですね。

で、それではそれをどうやって捕まえているのか?というと、静電気で捕まえているんですね。


今のマスクには、静電気を貯めておいく機能が備わっているんです。

これを帯電性と言います。

帯電性を生地に付与して、本来通り抜けてしまうウイルスや花粉などをキャッチしている、という訳です。


で、洗うとこの効果が薄まる理由ですが、洗剤って、必ずほんの少しだけ生地に残るんですよね。

で、この洗剤が電気を逃してしまう性質を持っています。

つまり、洗剤が残る事で、帯電性がなくなり、小さいものをキャッチできなくなる、という訳。


では、洗わない方がいいじゃないか、と思うかもしれませんが、違うんですよね。


そもそも、不織布のマスクって使い捨てでしょう?

その理由は、ウイルスや花粉をキャッチすると、帯電性がなくなるからなんですよね。

つまり、普通に使っているだけで、マスクそのものの効果は薄れているんです。


では、なんで不織布のマスクを洗って使うのか?というと、唾や唾液などを飛ばさないため。

唾や唾液は大きいので、帯電性がなくてもマスクで捕らえられます。

効果はあるんですね。


ただ、1日使うと、マスクにはものすごい菌が付いてしまうんですよね。

それを放っておけば、マスクの中で繁殖しかねませんし、それを吸い込んで他の病気を呼ばないとも限らない。

だから、衛生環境を守るために、洗う必要がある訳です。



実は長野の小池さんは、着用したマスクと、洗った後のマスク、この2つを検査に出しているんです。

洗う前と洗った後で、どのくらいの菌が残るのか?



そして出た結果驚くものでした。


洗う前のマスクと洗った後のマスク、その差は20分の1

使ったマスクには20万を超える菌がいて、それを洗うと1万台にまで減るんだそうです。

これは立派な除菌のレベルになってると、太鼓判を押してもらっています。


洗わないで20万の菌を口につける方が不衛生ではないですか?



アルコールが手に入らない、というお言葉。

僕も探しても手に入らないので、その気持ち、よくわかります。

僕らはプロなので、一つ一つの工程を知っていますから、アルコールがなければ他の代用品で、となりますが一般の方にはそれは難しいと思われます。


小池さんの方で新たにアルコールの代替品のやり方をアップされていました。

先週発売の女性セブンに載っていましたか。

そちらに詳しく載っているので見てもらうといいかと思います。


アルコールを最後に吹き掛ければさらに除菌はできると思いますが、洗うだけでも全然違うと思いますよ。



数日前より、所々でマスクが買えた、という話を聞く様になってきました。

ただ、少し高いんですよね。


新型コロナウイルスのための自衛がこの先いつまで続くか?わかりませんけど、色んな知恵と工夫で乗り切っていきたいですね。

僕らもそれに協力したいと思っています。


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