洗って色が出る製品はおかしいんです。
またまた寒くなってきていますが、一応衣替えの時期に入ってきています。(笑)
この時期になると、クリーニングに出す人もいれば、自分で洗う人もいると思うんですね。
その際に、ネットの情報を調べることもあると思います。
先日、たまたま見つけたものに軽い目眩を感じまして。
おいおい、それは無いでしょ?というものがあったんです。
内容はこんな感じ。
ニットを製造販売している方なんですが、大きなメーカーではなく、どうも個人でやられている様子。
染めとか編みとかこだわりがあるようです。
その中で、やはり衣替えの時期ですから、洗濯の方法が書いてありました。
手順はそんなに違和感はなかったのですが、文中に、親?と思う箇所を見つけてしまいまして。
それがこんな事なんですね。
当店のニットは色が良くなるように2度染めをしているため、このように洗濯をすると、色が出ます。
生地に乗らない染料があるからです。
いい品物ほど、出てしまいます。
えっ?
ええっ?
それはおかしいですよ?
それは明らかに製品不良。
そんな事はあってはいけないんです。
ここでは何度も書いてますが、服の基本的な性能として、着ることができて、洗うことが出来ないとダメなんです。
洗える、という事は、洗っても変化がない、色が出ない、という事。
つまり、この方が仰っているような事は起きてはいけないんですね。
実は昔からこういう事はあって、アパレルでは事故事例集に載るほど有名な話なんです。
生地に過剰に染料をのせてしまうのが原因で、販売する前に洗って余分な染料を落とさないといけない。
作る側は、良い色を出したくて、生地に載る以上の染料を使ってしまう事はたまに有ります。
でも、そのままにしておくと、洗った時に余分な色が出て、他に滲んだり、最悪一緒に洗ったものを染めてしまいます。
これを良い製品の特徴みたいな言い方をするなんて、有り得ません。
服を作る人が増えるのは良い事だと思います。
ネットでも販売できるようになったし、今まで以上に個性的なものも出てくるでしょう。
でもね。
製品として世に出すなら、最低限守らなきゃいけない事ってあるんです。
いつの頃からか、こういう製品が本当に増えてしまいました。
大手の製品でもたまに起こりますからね。
洗っておかしくなる服って、消費者から見れば、長持ちしない服、悪い服なんです。
服が長持ちしないと思えば、誰が良い服を買おうと思うでしょう?
一年でダメになるなら、安いので良い、となると思いませんか?
アパレルが本気を出せば、きちんとした製品を作れるはずなんです。
だって、ものすごい年数をかけて、たくさんの服を作ってきて、経験を積んでいるんですから。
今までに数え切れないほど問題のある服がありました。
アパレルもそれを認識しています。
それを糧にいい商品を作ることが出来るはずなんですよ。
服を作る側に、洗濯やクリーニングのことを視野に入れる風潮が出てくれば、個人で制作するものにも変化が起きると思っています。
色が出るのが当たり前、そんな話はしてちゃいけません。
先ほどのニット製品を買ったお客様が、他に色移りすることなく無事に洗えるといいなあと願っています。
最悪、1枚で洗えば、他に被害は出ないですしね…。
こういうのを見ると、悲しくなりますね。
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