クリーニングの二極化について。
この三日間ほど、少し重い話をしてきました。
年末ですしね、思っている事を今のうちに吐き出しておこう、と少しだけ思った次第。
で、今日がその最後になります。
もうずいぶん前からこれからのクリーニングは2極化する、と言われてきました。
それこそぼくがこの業界に入った頃、25年以上前からずーっと言い続けられてきたんです。
高価格帯のクリーニングと低価格のクリーニング、品質の高いクリーニングと低品質のクリーニング、いろんな表現で二極化の未来が語られてきたんですね。
二極化の根拠は、おそらく低価格のチェーン店が全国に現れてきたのが理由だと思います。
またその頃から過剰な割引サービスが全国的に始まり、クリーニングの価格戦争が始まりました。
その当時は、チェーン店は安かろう、悪かろう、の代名詞と言われてて、個人店のクリーニング屋さんもそのような話をお客さんにしてきたかと思います。
と同時に、自分たち個人店のクリーニング屋さんは高いけど品質が高く常に意識高く持ちながらやっている、と話してきていました。
それが正しいか?は別にして、そういう差別化でアピールをしてきたんですね。
まだその当時はクリーニング代が個人店でも差がかなりあったので、差別化の意味を含めて二極化の話の流れになっていったんです。
クリーニングの二極化の話は今も出ていて、やはり安くて品質があまり良く無いクリーニング屋さんと、高いけど品質のいいクリーニン屋さん、この二つに二極化されると思われています。
ぼく、それは違うと思うんですよね。
その二極化の未来がもしこれから来るのなら、クリーニングは無くなると思うんですよ。
わざわざクリーニングに出す意味がないし、もしそんな風になっていったら、クリーニングは良くない、という噂が広まってしまうと思うんですよね。
消費者が本当に望む二極化を考えてみると、品質の悪い二極化なんてあり得ないんですよ。
他の業種を見てみればよく分かるんです。
安いチェーン店は他の業界でもあります。
でも、今は安くてもそこそこの品質を保つようになってきているんですよね。
昔みたいに、安いから仕方ない、というような適当なものは売ってないんです。
飲食店でも、安い店は中国産の食材を使っています。
でも、その食材を調理で工夫して美味しく食べさせてくれたり。
また、仕入れそのものを工夫していいものを安く仕入れて値段を下げているところもあります。
100円のものがあったとして、今と昔では100円の中に求められる品質が違うんですよね。
で、クリーニングに戻ります。
もし、クリーニングに本当に二極化の未来が来るのだとしたら。
その時はこうなると思うんですよ。
クリーニングしたら綺麗になって普通に安心して着られるレベルのクリーニングやさんと、綺麗にするのはもちろん、服本来の姿に修復をするクリーニング屋さんと。
この二つに分かれるのではないか、と思うんですよね。
服本来の修復とは、修理のことではありません。
先日書いた、テーラードプレスプレスの話。
服が本当に持っている形をアイロンで整形修復をする。
染み抜きもするし、色が剥げていれば同じ色を刺して元の色に修復をする。
これらの作業は時間もかかるしコストもかかります。
クリーニング代も今の数倍はするでしょう。
でも、それがクリーニングの最上位クラスになるのではないか、と思うんですよね。
で、反対側のクリーニングとは。
安いのではなく、普通に綺麗にして、普通にシワもなく、安心してきていける品質を提供するクリーニング屋さん、これになるだろう、と思うんですよね。
これって、お客さんが求めている普通のことですよね?
で、これを当たり前にやってくれるクリーニング屋さんが欲しいわけじゃないですか。
だから、これが基本、スタンダードになるんです。
クリーニングの二極化の未来は、服本来の形に戻す修復のスペシャリストと、日常的に綺麗にしてくれるクリーニング屋さんに分かれるんじゃないか、と思うんですよ。
日常的に綺麗にしてくれるクリーニング屋さん、今の個人店のクリーニング屋さんに多いですよね。
ここがそうなっていくのか、チェーン店が品質を上げてそうなっていくのか、わかりません。
でも、そうなっていかないとダメなんですよ。
なぜなら、クリーニングの最低品質を出さなきゃいけないから。
プレスしたのかどうかも怪しいシワのある服だったり、服として着れない状態になってしまったり。
そんなクリーニング屋さんでは誰も使いたくないですよね。
たまに普通にクリーニングされてくるけど、悪い時もある。
クリーニングはギャンブルなのよ。
こんな話をした人がいました。
そんなクリーニンが当たり前なら使いたくないですもん。
かと言って、品質のいいクリーニングは常に高くてというのも困る。
お店を探すのも大変、というのも困る。
普段使えるクリーニング屋さんが欲しい、というのは消費者が欲しているクリーニングの形だと思うんですよね。
クリーニングの二極化、という話が出て何年も経っています。
そろそろ本当に動き始めてもいいのかなあ、と思うけどどうですかね?
消費者の欲しているクリーニング業界に変わるチャスではないかな、と思います。
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