いつの時代の話なの?
2月の祝日は本当にのんびりとします。
お店は普通にやっていましたが、そもそも閑散期の2月の祝日です。
お客さんが来ることはほとんどないので、のんびりと仕上げをしていたりするんですね。
この時期あたりから、服のお手入れの仕方について、ネットに記事が出始めます。
10年ほど前はそう言う話はクリーニング屋さんが書いていましたけど、今は誰彼関係なく書いていますよね。
クリーニングで働いてた人、主婦、アパレルショップの店員、テーラー、デパートの店員、最近はハウスクリーニングの人も書いてたりします。
そのほとんどが、どこかを参考にし、ともすれば記事をパクってきて、少し手を加えて、似たような記事を書いています。
だから、ネットで検索をしても、どこも似たり寄ったりの記事になるわけです。
怖いのは、元の情報が間違ってたら、それを見て参考にした人もパクった人もみんな間違うと言うこと。
実際、正しくない記事がかなりあります。
ネットはそう言う間違いも自然と淘汰され、正しい情報が更新されていくはずなのですが、なぜかクリーニングや洗濯は間違った情報のままのケースがとても多くなっています。
ついさっきもそんな話が。
スーツのクリーニングの頻度について書いてありました。
シーズンに一度洗えばいい。
それ以上洗うと服が傷むから、と。
ハウスクリーニングの人の記事です。(笑)
ハウスクリーニングの人、どこまで知ってるんですかねえ?
洗いすぎると傷むから、というのは大きな間違いですが、それよりも気になるのはシーズンに一度でいい、というところ。
これね、昔ならあってるんですよ。
今から30年前、その頃ならそのメンテナンスの仕方で良かったんです。
こう書くと、皆さん色々と想像しますよね。
服が変わったから今はダメなのか?
クリーニングの技術が悪くなったからダメなのか?
温暖化で汗を描くようになったからダメなのか?
皆さん、想像豊かです。
そして、自分の知ってる知識から答えに辿り着こうとする人たちが多くなりました。
それだけ日本は教育が行き渡ったんだろうなあ、と思います。
今と昔、大きな違いはスーツを持っている数が違うんです。
簡単に言えば、昔はスーツをたくさん持っていて、一度着てから次に着るまでの間隔を空けることで、休ませていた。
1シーズンに着ている回数を減らしていたから、シーズンに一度のクリーニングでよかったんです。
ところが今、皆さんスーツを何着持っているでしょう?
3着?
5着?
10着持っている人は稀ですよね。
ちなみに30年ほど前なら最低20着は皆さん持ってたんですよ。
春夏物て7着。
秋冬物で7着。
夏用に5着。
いい時用のとびっきりのスーツ、1着。
勤続年数が長くなると増えていきます。
この頃の着用の仕方のメンテナンス方法と、今のメンテナンスが同じわけないじゃないですか。
ただでさえ着る回数が増えているのに、シーズン一回で済むわけない。
クリーニング屋をやっているからわかりますが、明らかに汚れ方が変わってきています。
ひどくなっているんです。
これも仕方ない、洗う時間も取れないし、少ないスーツを着回してるし、さらに温暖化で気温が高いし。
いろんなことが昔と違っているのに、メンテナンスの方法やタイミングなど、それを考慮しない記事があまりにも多過ぎですね。
クリーニングの現場で仕事をしていればわかるんです。
古い話を今でも書いている人たちは、クリーニング屋さんではないか、どこかから情報をパクってきているか、なんだと思います。
どうか、間違った情報に振り回されないように。
誰が発信しているか?よく見ましょう。
クリーニング屋さんと書いてあったとしても。
その人がクリーニング屋さんを経営しているのか?クリーニング師の国家資格を持っているのか?アルバイトなのかパートなのかで全然違います。
かなり多いですよ、クリーニング屋で働いてたってだけの人が。
きちんと資格を持ってる人はそんな話はしませんからね。
皆さん、本当に気をつけてくださいね。
まだ着れる服がダメになることもありますよ。
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