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洗濯表示の信用に関わる問題ですよ。

洗濯表示が変わって数年が経ちました。

消費者の方には、慣れした親しんだ絵柄から変わってしまって、わかりづらくなったと言うお話を聞こえて来ます。


変わったのは絵柄だけではなく、表示の意味も変わりました。


まず大きく変わったのが、商業洗濯に対応したこと。

つまり、クリーニングに表示が対応したんです。

実は今までの表示はクリーニングに対応していませんでした。

なので、表示通りに洗っておかしくなって問い合わせても、クリーニング屋さん向けの表示ではないから、と対応してもらえないことがあったんです。

新しい表示では、クリーニングにも対応しているので、そう言うことはできなくなりました。


もう一つ変わったことがあります。

それは、製品での洗浄テストをするようになったこと。

今までは、生地での洗浄テストの結果から、洗濯表示をつけることが出来たんです。

これが実に問題がありまして。

服は生地で出来ていますが、生地が全てではありません。

他にもたくさんのものが使われていて、洗濯やクリーニングではそれら全てが影響をすることがあります。

生地の洗浄テストだけではその服の耐久性を表すことが難しくなっていたんですよね。


製品での洗浄テストをする事になり、新しい洗濯表示は上限表示となりました。


どう言うことか、と言うと、この洗い方までは出来ます、と言う表示になった、と言うこと。

そこまでの洗い方は耐えられます、と言うお墨付きを出した、と言う事になるんです。


新しく洗濯表示が変わったときに、アパレルさんは大変だぞ?と思ったんですが、なんが僕らとの温度差を感じていました。


最近、クラブハウスでアパレルの方々とよくお話をします。

デザインをしている方や販売をしている方、製造の方もいらっしゃいました。

せっかくなので、新しい洗濯表示について話を振ってみたんです。

すると、みなさんあまり気にしてない様子。

中には、変わったのは絵柄だけ、と本当に思ってた方もいて、説明をしたら驚いていました。


上限表示だから、何かあったら大変ですよ、と話したら、とある方がこんな風に言うんですね。


それなら全部バツにして洗えないって表示にしちゃうかなあ。



うーん、クレームが嫌で洗えないって表示にしておけばってのもおかしな話でね。

それがまかり通っちゃうと、洗濯表示そのものの信頼性が疑われる事になって。

僕らも洗うときに参考にすることが出来なくなってしまいます。

消費者はもっと困りますよね。

僕らのように服から洗えるか?洗えないか?を読み取れないんですから。

洗濯絵表示だけが洗えるか?洗えないか?の唯一の情報源。

ねえ、本当に困りますよねえ。


でもね、アパレルさん達のことも少しはわかるんです。

洗浄テストは全部服のコストなんですよね。

マークひとつずつ、全洗浄テストをすると、ものすごい金額が掛かってしまう。

よく、服は大量生産をされていると言う人がいますが、今は違います。

多品種小ロットと言われて既に10年以上が経っています。

少ない数でたくさんの種類を、が今の作り方。

すると、洗浄テストを本気でしようとすると莫大なコストがかかる事になってしまう。

今の服の値段を考えると、躊躇してしまうのかもしれません。


それだけ服が安い、と言う事。


安いと言うのは買う時はとてもありがたいですけど、大事なものも削られている可能性があることは覚えておきたいですね。


売れてもらいたいから、少しでも安く作ろうと必要なコストを削る。

そろそろここから脱却しないとですね。


みんなが必要なコストを認めて、適正な服の値段で買えるようになるといいのかな。

アパレルさん達の思い切りも必要そうです。

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