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良いものが売れる世の中に。

商売、特に職人系の商売をしていると思う事があります。



それは、品質と値段、そして売れるということについて考えるんですね。



一般的に、品質が良ければ売れるし、値段も品質の悪いものよりは高くなる、と思いませんか?

品質の悪いものは売れない、安いものは品質が悪い、そう思わないですかね?


だから、売れているということは品質が高い、と言うことになるし、高いものはいいものだ、と判断する人は多いと思うんですよね。


実際、昔はそうだったと思うんですよね。



ところが、ですよ。


この考え方を悪用する人たちがいるんですよね。

売るためなら何をしてもいい、と思っている人たちがいる。

今、消費社会だなんだと言われているのはこの結果だと思うんですよ。


毎年成長、昨年よりも売り上げを上げる、これがビジネスの目標なんですよね。

でも、毎年毎年成長をするためには新しい何かが出てこなければなかなかありえないわけです。


すると、売るための工夫をすることになる。


例えば、去年よりも安く売る、とか。

アパレルとかは、毎年デザインを変えて売ってますよね。

でも、これも慣れてきてしまうんです。

すると、さらに反応させるために過剰な演出をし始める。



当たり前の話をさもすごい技術のように煽ってみたり。

ありもしない効果を謳ってみたり。


売るためにあの手この手を使い出すわけです。



とにかく売る事が正義ですからね。



職人系の仕事をしている僕らからすると、これが納得がいかないんですよ。

明らかな嘘じゃ無いかと思うし、お客さんを騙していると思うし。


でも、実際には技術の良し悪しよりも売ることに力を注ぐほうが売り上げが上がる。

簡単にいうと儲かるわけですね。


どんなに口でいい事を言っていても、現実に儲からなきゃ生きていけません。

すると、職人系でも売ることに力を注ぐ人たちも出てくる。

中には技術を置いてきぼりにする人も出てくる。


例えば、クリーニングなんかだと、アイロンをかけてあってもよくわからない、別にかかってなくても平気、というお客さんもいるから、とアイロンをかけないで納品をするクリーニング屋さんもいたりします。

洗いざらし、というわけではもちろんなく、粗じわは取るんですけどね、アイロンのかかっている服からすると雲泥の差。

でも、その分料金を安く設定して、お客さんもそれを支持したりする。


最初は数社しかやってなくても、それが売れてる、と思えば真似をする業者が出てきます。

時間をかけて段々と、そのクリーニングがスタンダードになってくる。


こういうのって他でも多く無いですか?


昔を懐かしむ、というのではなく。間違いなく、今の方が品質が落ちてる、というものってあると思うんですよ。

で、それって何が原因なのか?と思うと、売るという事が最優先になって大事なものを置いてきたからじゃ無いのかな、と思うんですよね。


変化した結果に誰も文句がないのならいいんです。

でも、みんな文句は言うんですよ。

品質が悪い、味が落ちてる、まずい、とか。

きちんとした仕事が段々と品質が落ちていくと、元の品質にはなかなか戻りません。


なぜなら、何十年とかけて落ちてきたら、もう昔の品質を知る人が少ないから。



これはおかしいですよ、と話しても、何がおかしいのか?わからないんです。

おかしいのが普通になっているから、指摘されてもおかしいと思わない。

それはお客さんもそうだし、業者もです。


技術と革新で良くなっているものもあるんですけどね。

良いことばかりではなく、逆に悪くなっていることもあると思います。


良いものは売れる、と言うのは幻想です。

でも、職人として、良いものが売れる世の中になってほしいなあ、と思います。

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