服が長持ちしない原因はなんでしょう?
服が長持ちしないと思ってる人がたくさんいます。
服は傷む、何年も着れない、色が褪せていく。
服とはそういうものだ、と思ってる人、ほとんどじゃないでしょうか?
たしかに昔に比べると繊維は細くなり、作りも簡素化され、傷む要素は多くなっていると思います。
だからと言って、3年持たないとは思えないんですよね。
じゃあなぜ服は持たないのか?
一つは着用の仕方。
例えばスーツの着数が昔と比べて圧倒的に少なくなっています。
そのせいで1着を着る時間が長くなり、洗う時間が取れなくて汚れたまま着ることも増え、痛みやすくなる。
コートなども似たような感じで、1シーズンに1着をずっと着ていると裾とか切れはじめますよね。
簡単に言うと、着過ぎってやつです。
また、メンテナンスの仕方に問題があるケースもあると思います。
洗う回数、洗い方、これらは服の傷み方にとても大きな影響を与えます。
服にあった洗い方をしないと、どんどん色は褪せていきます。
クリーニング屋さんは色がなるべく変わらないように気を使いながら洗います。
もし、気を遣わないで遠慮なく洗って良いと言われたら。
クリーニング屋さんが洗っても色は褪せていきます。
洗い方って大事なんですよね。
ここで勘違いされる方もいらっしゃるんですが、洗い過ぎが良くないと思う方もいらっしゃいます。
洗ったからおかしくなったんだ、と。
そこが違うんです、洗う回数ではなくて、洗い方なんですよね。
洗い方が悪ければ洗うたびに色褪せていくし、上手に洗うと色が褪せにくい。
経年劣化というものはどうしても避けられませんが、それを遅らせることができるのが上手な洗濯やクリーニングなんですね。
また、クリーニングに出さずに自分で洗う方も増えています。
洗った後にアイロンをかけるかけないか、はとても大きくてアイロンをかけないで洗いざらしでいると服はとても傷んだように見えます。
シワが多いだけで縮んだという人もいますしね。
きちんとアイロンをかければ普通なのに、洗いざらしのままで着ているので傷んだと勘違いをしてしまう人もかなりいそうです。
実際、子供服とかでもアイロンをかけるとお出掛け用にすら見えるくらいの服でも、洗いざらしのままにしておくせいで普段着にしか見えなくなっているケースもあります。
こういう場合はクリーニングに出してきちんと仕上げてもらうだけで驚くほど綺麗に見えてしまいます。
もう一つ。
これが原因のかなりを占めていると思うんですけどね。
それは、皆さんの意識の中で長持ちしないと思い込んでいる、これがとても大きいんではないか、と思っています。
実際に体験をしてそう思った人もいると思います。
また、人に話を聞いて持たないと思い込んでしまってる人もいると思います。
体験をした人も、先に書いたように扱いの問題などで結果的に持たないようになって方もしれない。
また、一度の体験で全てがそうだと思い込んでいるのかもしれない。
また、ファッションは毎年変わらないといけないと思い込んでいる、と言うのもあると思います。
同じ服を長く着るのはおかしい、と言う意識もちらほらと見受けられますし。
これもアパレル業界の戦略に当てられた結果なんですが…。
そう言うのが何年にもわたって色々と積み重ねって服は持たない、と言う意識が広まってしまったんだろうなあ、と思うんです。
すでに思い込みの部類に入ってしまってると思います。
クリーニング屋さんの僕らからすると、きちんとお手入れをすれば服は長持ちするよ?というのが一般的な認識。
もし、長持ちしないのならば、長持ちしない何かしらのことをしている、と言うこと。
一般的な消費者の感覚と随分違うかもしれません。
でも、今から30年ほど前までは僕らの感覚は消費者と同じだったんですけどね。
ファストファッションが流行り、家庭洗濯でなんでも洗うようになりだんだんと意識が変化してきました。
服も安くなりましたしね。
値段が与える印象ってあると思います。
安いものはあんまりいいものではない、と言うわけではないんでしょうけど、良いものは高い、の対極で悪いと捉えられやすいと言うこともあると思いますしね。
クリーニング屋の僕らは今も昔も服は大切にしていれば長持ちすると思っています。
そのためにする事はいくつかありますけど。
もし、長持ちしないと思っているなら、それはどこかに原因があるのかもしれません。
もしそれが意識の問題だとしたら、変わる事でいいことが増えていくと思います。
服に対する意識を見直してもいいと思います。
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