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洗濯をおかしくしたのは?

昨晩、clubhouseでとあるルームにゲストとして呼ばれてお話をしてきました。

クリーニング屋さん数人がゲストとして呼ばれて、洗濯やクリーニングについてお話をする、という部屋。



洗濯って冷静になって考えてみるとみんな何も知らないんですよね。

汚れってどうして落ちるのか?なんできれいになるのか?全然わからなくて洗っている。

そこを聞いて見たい、というお話でした。


洗濯家の中村くんが洗濯のお話をし、クリーニング屋の僕がクリーニングの話をし。

そして、某洗剤メーカーの研究者の方が洗剤のお話をしました。



現在の洗剤の傾向はニオイ対策が主流のようです。

世の中のニーズもそちらに行っているし、この数年の傾向もニオイ、という事。

だから、それ用の商品の開発に力を入れているとか。



僕、すごく聞きたかったことがあったんです。

どうしても聞きたいことがあって。



それは、洗剤メーカーは洗濯が分かって洗剤を作っているのか?という事。



なぜこんな事を聞きたいか?というと、洗濯があまりにもおかしいから。

今の洗濯は各々バラバラなんです。


洗濯機メーカーが洗濯機を作り、洗剤メーカーが洗剤を作る。

本来は洗濯機と洗剤が協力するのが洗濯なのに、別々に作られているといろんな不具合が出てきます。


例えば、部屋干し臭といわれる臭いの問題。

これは菌の繁殖が問題なんですよね。

洗剤メーカーは菌の対策をすれはにおいがしなくなる抗菌剤の入った洗剤を作ります。


確かに原因は菌なんですが、実は抗菌剤よりも前にやれることがある。

それは濯ぎをしっきりすることなんですね。

洗濯機が節水モードになり、濯ぎがきちんとされてないことが問題な訳ですよ。


洗濯を総合的にみると洗剤に何かするよりも洗濯機のコースや洗い方で解決する、それなのに洗剤メーカーは他のやり方で対策をしてしまう。


あまりにもチグハグなんですね。


クリーニング屋として見ていると、洗濯を知らないからそんな事してるの?というくらい変な事をしているわけです。


根本的な解決をしようと思ったらそこではないですよね?という事をしているので、洗濯を知っているのか?疑問に思っていたんですね。



洗濯を知っているのか?と聞くのはあまりにも失礼。

なので、こういう質問をしました。


なぜ、洗濯はみんなバラバラにするんですか?と。



洗濯機の節水が問題なのに、洗剤でなんとかしようとするから臭いの問題が解決しない。

本質をきちんと見て対応をなぜしないのか?


 

するとメーカーさんの苦悩がチラリと見えたんですね。



会社の内部のこと何ではっきりとは言えないけど、世の中の節水の流れには逆らえない部分がある。

いろんな制約のある中で最大限できる事、

きれいになるようにやっている、と。


それでも食い下がるんですね、僕も。


いや、濯ぎをもう一回増やせばいいのでは?と言うと、水を大量に使うことはやはり良く無い、と言います。

環境に負荷がかかる、と言うことなんでしょうね。


でも、逆にこうとも言えるわけです。


服がきれいにならなくて、匂いが出て、一年くらいで買い替えていたらそっちの方が環境への負荷が大きいんじゃ無いでしょうか?と。


この問題は難しくて、どちらが、と言うよりも洗剤メーカーがそこを考える立場にない、と言った感じでしたね。

僕たちは僕たちのできる事をやっている、と。



すっごい辛そうでした。



会社って不便ですよね。

ぼくらの知らないところでいろんな制約の中、頑張っている。

本当にいいものを作ろうとしたくても、世の中の流れを読み、会社の中のルールを守ると、制約が出る。


こんな話もされましたよ。



そりゃね、水をたくさん使って、洗剤もガンガン使えばきれいになりますよ!

それは出来ないから、環境に負荷を与えない中で、少し汚れは残るかもしれないけど、落とし所を探って作っている、と。



みんな、何と戦っているんでしょうね?

誰に気を遣って、何を守ろうとしてるんでしょう?



世の中の流れって誰かが言ったのかな?

なんかね、勝手な忖度にも思えるわけですよね。

確かに、環境を守ろう!と声をあげている人たちもいると思います。

でも、ほとんどの人は、率先していると言うよりは空気感で流れていくと思うんですよね。


メーカーが環境に配慮した製品を出すから、環境に意識が向く、とか。

水を気にするとか、そっちの方が多いと思うんですよ。


もし、メーカーがきれいにする事を最優先で宣伝をしていたら、また空気感は変わってると思いますけどね。



みんながそれぞれ頑張っているのはわかる、けど、それが歪な形で落ち着いている、と言うのはものすごくモヤモヤしましたね。




うーん、ここは僕が書いてるブログですからね。

はっきり書きましょうか。



だから洗濯がおかしくなってるわけだな。



仕方ないじゃねえんだよな。

本当に環境を考えるなら、洗濯に関わる仕事をしていてプライドがあるなら、やることは一つだと思うんですよね。



各々が勝手にやるのではなく、洗濯に関わる人たちがみんなで協力して本当の洗濯に戻す努力をしなきゃいけないですね。

申し訳ないがせっかくの技術も小手先のテクニックになってしまってる。

考え方を変えればそれはすごい技術に変わると思うんですけどね。


洗う、と言うことがきちんと理解されていない、洗濯がわからない、となんでなってしまっているか?考え直した方がいいです。

誰が悪い!と言うわけでは無いかもしれませんが、確実に関わった人たちみんなでそうしてきた結果です。


なんかおかしいよ、みんな。


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