もしタイムマシンがあったら。
クリーニング屋になってから約30年経ちました。
自分で言うのもおこがましいですけど、クリーニングに関すること、繊維のこと、服のこと、ものすごく勉強して来たと言う自負があります。
なので、その辺のクリーニング屋さんには負けないよ?と言う強い思いもあったりします。
クリーニング屋をしようとすると学ばないといけないことがたくさんあります。
洗剤のことも繊維のことも服のことも、さらに法律関係も学ぶし、各種資格も必要。
僕はクリーニング学校に通うことができたので、そこで基本となることは学んできました。
さらに、時間をかけてその時代で出て来た技術や、過去の技術の話、クリーニングに関するニュースなども拾い集めて読みますし、論文みたいなものも探して読んだりします。
これだけやって来ていても、まだまだだよなあ、と感じることがあるんですよね。
この数ヶ月、clubhouseで話をしたり聞いたりしていて、自分の中でも洗う事、汚れを落とすことの解釈が少し変わって来ています。
今までなら、こんな説明はしなかった、とか、なんかおかしいなあと思いつつも否定をすることができなかったものが、この数ヶ月できちんと説明が出来たり、おかしいものはおかしい理由を説明できるようになって来たんです。
クリーニングや洗濯の世界っておかしいんですよね。
何がおかしいって、知識や技術はちゃんと持ってる。
なのに、いざやろうとするとおかしな理屈に合わないことをやろうとするんですよ。
これは洗濯だけでなく、クリーニングも同じ。
クリーニング屋さんなんかすごい変な話をしたりします。
自分たちはクリーニングをきちんと基礎から学んでいるはずなのに、過去からのおかしな話をいまだにしている人たちっているんです。
これ、おかしいですよね?と話すと、理屈は理解しているのに、納得はできない、と言う。
変に意固地なところは職人ゆえなのかもしれません。
先日、話をしていてふと今タイムマシンがあったら、と話していました。
よかったよねえ、タイムマシンがなくて、って。
もし今、タイムマシンがあったら。
多分3ヶ月前に行って自分にお説教をしているだろうなあ、と思うんですよね。
何ふざけた話ししてんの?
君、クリーニングのこと全然理解してないでしょう?
ってお説教を自分にしていると思うんですよね。
あれだけ勉強をしてきていたにも関わらず、この数ヶ月の出来事で一気に理解が深まると言う。
3ヶ月前とはガラリと話が違いますからね。
洗濯って洗う行為の中でも異質なんですよね。
お風呂掃除や食器洗い、体を洗う、それらと少し違うものなんです。
これを理解していると、例えば重曹を使った洗濯でなぜ黒ずんでいくのか?説明ができるようになります。
また、他の洗う行為で使う薬剤が、洗濯に転用できない理由も説明ができるようになります。
これに気づいたのがほんの数ヶ月前。
それまでは、汚れが落ちる、と言うメカニズムだけを見ていて、洗濯を理解していなかったので違いが説明できなかったんですよね。
本当にタイムマシンがなくてよかった。
あったらすごいお説教を自分にされていたと思います。
そして、お説教をしても、教えてくれないと思うんだよなあ、自分で気づけ、と。
自分にもスパルタのような気がする。
勉強した、とか自信を持つのはいいけど過信はダメですね。
自分は知ってる、となったらそこからはもう学ぼうとしないもんなあ。
職人は謙虚になるのが1番。
技術や知識に溺れないようにしないとダメですね。
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