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大量生産ではなく、多品種少ロットです。

昔から言われている話で誰も疑いを持ってないんだけど、実は違うよな、って事があります。

こわいもんで、深く考えずに昔から言われていたことをそのまま使っていることはよくあるんです。


でも、時代は変わってる、色々進化してる、と日頃から口にしてる。

でも、その変化を自分で言いながら古い話をそのまま使ってしまうんですよね。

服は大量生産されている。



この話をする人はたくさんいます。

今、サスティナブルとかSDGsとかでアパレルの大量廃棄の話とか問題にされています。

それに呼応するかのように、服は大量生産されているからね、と話す人がいるんです。



これね、間違ってるんですよ。

大量生産はされてないんです。

今は大量生産ではなく、多品種少ロット、これに変わっているんですよね。


何が違うのか?というと、多品種少ロットというのは、いろんな種類の服を少ない数で作っている、と言うこと。

つまり、一つのアイテムの生産数は少ない、だけどその種類が多いので結果的にたくさんの服が作られている、と言う状態なんですよ。


大量生産じゃないの?と思うかもしれません。

結果的にたくさんの量は作っているんですけど、大量生産と多品種少ロットでは意味が全然違うんですよね。



何が違うか?というと、多品種少ロットになると、一点の作る数が少ないのでコストがあまりかけられなくなるんですよね。

例えば、洗濯絵表示をつけるための洗浄テスト。

これなんかなかなか出来なくなります。

洗濯絵表示を付けるためにやる洗浄テスト、結構いい値段するんですね。

ひとつのマークごとにテストをしなければならず、10種類以上のテストをするとそれだけで数万円は掛かってしまいます。


そのコストが大量生産なら11着に分配されるのでたいしたコストにならない。

でも、小ロットになると一着に掛かるコストがものすごく大きくなる。

一着千円とかのコストになる可能性もあるわけですよね。

すると、洗浄テストなんてできない、という事になりかねないわけですよ。



いつからそんなふうに変わったの?と思いますよね?

驚かないでくださいね、すでに25年以上は前から変わってるんです。

それなのにみんな大量生産されてる、と思い込んでたんですよ。



大量生産から多品種少ロットに変わった経緯は、ファストファッションとも関係があります。

その時々の流行に合わせてさっと作る必要があったため、大量生産できなかったんですよね。

それまでは、その年の流行というものが決まっていて、時間をかけてデザインや色を合わせて製品を作っていたんです。

しかし、その決まっている流行が外れる時があるんですよ。

さまざまな理由で他のものが流行ってしまう時がある。

そこに合わせるように、その年にはやってるものをいち早く察知し、3ヶ月くらいで作って売ってしまう。


アパレルの生産の仕方もこんな感じで変化してきたんですね。


たくさんの種類があるから売れ残りができ、それが廃棄につながってるんですよね。



僕らが持っているアパレルへのイメージもアップデートさせる必要がありますね。

サスティナブルやSDGsにみんなが本気で取り組んでいこうとするなら、現状を知る必要がありますから。

対策も自ずと変わってくると思います。

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