« clubhouseでは何を話しているか?公開します。 | トップページ | ウールの縮みの完璧な説明はこちら。 »

ワイシャツのハンガーとの接触部分が黄色く変色?

先日、とあるご相談を受けました。

クリーニング屋さんにYシャツをクリーニングに出していて、たたみじわが嫌なのでハンガーに吊るして仕上げてもらっていたんだそうです。

その内の1枚だけ、ハンガーの跡が黄色く変色している、とのご相談。


全部が同じように黄色くなるなら分かるんだけど、なぜこれだけ黄色くなったのか?わからない。

不思議だ、とおっしゃるんですよね。



見させてもらうと、鮮やかな黄色。

汗とかが変色した黄色ではないんです。

強いて言うならレモン色、といってもいいくらい。



クリーニング業界では有名なやつなんです。

BHT黄変と言います。


原理を簡単に説明しますね。



ハンガーや包装用のビニール袋には酸化防止剤というものが含まれていまして。

これが製造後間もない商品の時に、酸化防止剤が出てきて服につくことがあるんです。

このままなら特に何も起きないんですが、ここに窒素酸化ガスがくると反応して黄色く発色する、というものなんですね。


窒素酸化ガス、具体的にいうと燃焼した時に出るガスです。

ガスコンロ、灯油ヒーターなどから出ます。


ご相談された方、運悪く2つの要素が絡んでしまったんでしょうね。


このBHT黄変、有名だけど結構レアなものだと思います。

僕も初めて見たんじゃないですかね?

なぜなら、個人店のクリーニング屋さんではそうそう起きないから。


個人店のクリーニング屋さんでは起きにくい理由があるんですよ。



そもそもクリーニングする量が少ないので、資材が捌けるまで結構な時間がが上がるんです。

その内に酸化防止剤が出ていってしまうので、起きづらくなる、と。


逆に起きやすいのはチェーン店のクリーニング屋さんなんですよね。

個人店とは違い、薄利多売でやっているので、そもそものクリーニングの量が半端なく多い。

使う資材もあっという間に大量の資材が消えていきます。


資材の回転が早いため、作り立ての資材が入ってきたりする可能性が圧倒的に高いため、起こりやすいんです。



しかし、クリーニング屋さんが悪いのか?というとそれはちょっと違うのかな、と思います。

BHT黄変は割と有名な反応ですが、資材メーカーさんに一度問い合わせた時に、あまり反応が良くなかったんですよね。


知っていたのか、知っていても対応する気がなかったのか。

そんなに多いものではないから気にも止めていなかったのか。


資材メーカーさんの方でやれることはあるはずですからね。

滅多にない事だとしても、対策をとって欲しいなあと思います。



こういう説明はやはり個人店のクリーニング屋さんの方が詳しく説明してくれます。

何かわからないことがあったら、個人店のクリーニング屋さんに相談に行ってみましょう。

教えてくれますよー。

| |

« clubhouseでは何を話しているか?公開します。 | トップページ | ウールの縮みの完璧な説明はこちら。 »

クリーニング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« clubhouseでは何を話しているか?公開します。 | トップページ | ウールの縮みの完璧な説明はこちら。 »