洗濯絵表示の誤解とは?
洗濯絵表示ってなかなかわかりづらいと思います。
旧来のJIS表示から世界基準の新JIS表示に変わり、ドライとかエンソサラシとかの文字も消え、抽象的になって余計わかりにくくなったかと思います。
さらにさらに、実は抽象化されただけでなく、その表示の意味するところも微妙に変化しているのが厄介なところ。
クリーニング屋さんやアパレル関係者でも知らない人はいるのではないか、と思いますね。
よく、勘違いされていることに、表示にバツがついていたら洗ってはいけない、と思ってる人がいるんですよね。
あれ、洗ってはいけない、ではないんです。
洗えない、なんですよ。
似てるんだけど微妙に違うこの言葉。
洗う事をメーカーが禁止をしているわけではないんですよねえ。
洗えるか、洗えないか、それを表しているのが洗濯表示、と言うことになります。
洗えないと言うマークがついている、と言う事はどう言うことか?
その洗い方をすると、何らかの不具合が出る、ということ。
例えば、縮んだり、色が褪せてきたり、毛羽立ってきたり。
通常の使用以上の変化が起きるので、洗えない、と言う表示がつくんですね。
でも、どの理由で洗えないのか?はわからないんです。
僕らなら、素材を見て理由は想像できるんですけど一般の方では難しいでしょうね。
しかし、皆さんの中ではバツと表示が付いていても洗って平気だったよ?と言う経験をされた方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
ここが現在の洗濯表示の闇。
きちんと洗浄テストをしていない服があるんですよね。
本来ならきちんと洗浄テストをして表示をつけなければいけないのですが、中には素材から想像して付ける業者もいます。
すると、表示では洗えないのに洗える服が出てくる。
これでは何を信用していいか?分からなくなりますよね。
現状では、僕らクリーニング屋のように、素材のことを学んで、洗濯表示とともに素材や装飾品から自分で洗えるか?判断するのが1番正確なようです。
実は洗濯表示でもう一つ、誤解されやすい事があります。
それは、表示通りに洗ったのに綺麗にならない、と言うこと。
これも勘違いの一つ。
洗濯表示は洗えるか洗えないかの表示であって、汚れが落ちると言う表示ではありません。
汚れの種類によっては、表示通りに洗っても汚れの落ちない事は普通にあります。
汚れには水に溶けやすい汚れ、油に溶けやすい汚れとあります。
ドライクリーニングをする服を嫌がり、ご自宅で洗えるように水洗いの出来る服を求めがちですが、実は汚れを落とす観点からいうと、水洗いもドライクリーニングも両方できる方がいいんです。
水の汚れも、油の汚れも、両方洗って落とせるから。
洗えるのと汚れが落ちるのは別です。
汚れを落とすためには、全部の洗いができた方が望ましい。
ドライクリーニングも、水洗いも。
服を買う時は両方洗える服を買うといいと思います。
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