職人。
クリーニング屋さんは自分たちのことを職人だと思っています。
業界内には、助職という人たちもいて、臨時に職人を雇うことも出来たりするんです。
最近は高齢化で助職も頼めなくなってきちゃいましたけどね。
それでも、自分たちは職人だ、という意識が高いと思います。
先日、ふとこんなことを言われました。
クリーニング屋さんが職人だって言われて、それまでそんなふうに思ったことはなかった、と。
これには僕らもびっくりしまして。
そうか、職人とは映らないのか、と。
職人の定義が違ったんでしょうね。
ケーキ屋さんもパティシエという呼び名もありますけど、ケーキ職人とも言いますし。
大工さんや左官屋さんみたいなガチガチな職人もいますけど、専門で作業をする人のことを総称して職人と言っているのかもしれません。
すると、クリーニング屋も当然職人に入りますよね。
クリーニング屋さんがやっていることってあまり想像できないらしいんです。
ブラックボックスだ、と。
で、ともすれば、洗濯物を機械に入れてボタンを押したらきれいになって、大きな機械で仕上げているから、きれいになって。
洗剤もいいやつを使っているからきれいになって、と思っている人がたくさんいるんだろうなあって思うんですよ。
そんなわきゃない。(笑)
ボタンを押せば洗濯機は動きます。
でも、洗うものは全部違うんだから、ボタン一つで全部同じように扱えるわけないし、汚れ具合もみんなバラバラ。
きれいにするってことは服ごとにカスタマイズをしていかなければいけません。
サイズもバラバラなのに機械で全部仕上げられるわけもないです。
平均的な大きさになっているから、そこからはみ出る物足りないものは機械では無理。
機械も使う人で品質変わりますしね。
なにより、洗剤もいいやつってなんだろう?(笑)
そりゃ、より良い洗剤を使おうとはしますけど、問題はその使い方や使い所。
適切に使わなければいい洗剤も無意味です。
なぜ、クリーニングがこれほど分からなくなっているのか?
簡単です、洗濯がわからないから。
洗濯が何をしているか?んからにいならクリーニングもわからないんですよ。
洗濯もクリーニングも服を洗います。
ドライクリーニング、水洗い、その違いはあれど洗うということは同じ。
クリーニングがわからない、という人は、家庭での洗濯もよくわからないまま洗っているんです。
1番のブラックボックスは洗濯機ですよ。
服入れて洗剤入れてボタンを押すだけ。
そして、中は見えない。
広告で、自動で水を調整して、適切な時間で洗い、きれいになる、と言われてるから信じるしかないし。
実際中でどうなっているか?みんなわからないで洗ってますもんね。
便利になってるはずなのにねえ。
便利っておかしくさせるのかな、とか思ったりもします。
理屈を知っている人が使うと便利なものも正しく使えますけど、何も知らない人が便利なものを使ってもあまり恩恵は受けないのかもしれません。
シースルーの洗濯機とか売たぜはいいのになあ。
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