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匂いがわからなくなってる。

いつ洗えばいいのか?わからない、というお話をよく聞きます。


僕らクリーニング屋さんは、汚れた服と綺麗になった服をいつも見ているので、汚れているのはすぐわかる。

これはもう目の慣れの問題だと思うんです。


ところが、一般の方は、汚れた状態に見慣れてしまい、綺麗になった状態を知らない人もいるので、その違いがよくわからなくなってしまってるんだと思うんですよね。


汚れている状態が普通の状態だ、と思っている方、結構いらっしゃいますよ。


そんなに汚れてませんよね?と汚れた服を差して話すお客さん、結構いますし。

汚れてない、という思い込みで汚れが見えてないんだろうなあ。



昔ならね、汚れの目安の一つに匂いがあったと思うんですよね。

僕は今でも匂いも一つの基準にしています。


汗の匂いがしたら洗いどきだな、とか。



でも、これも今は難しくなっているのかなあ、と思います。


それは、香料や臭い消しを頻繁に使っているから。


本来なら汚れの目安になる臭いを消すようなアイテムが増えていますよね。

そのせいで汚れによる匂いに気付きにくくなっているのではないか、と思うんですよ。



ファブリーズなどの消臭剤、家に帰ってきたら必ず吹きかけるという方、多いですよね?

それが服のお手入れの方法だと思っている人はいると思います。


また、柔軟剤の香料も年々増えています。

匂いで臭いを消すことを、マスキングというんです。

こちらは常に香っていますから本当にわからなくなる。

消すというよりも香料の匂いでクラクラしてしまうケースも出て来るくらい。

そのせいで香害という言葉も生まれましたよね。



汚れの目安になるものが分かりづらくなってしまったのは、ひとつはきちんと洗えていないという問題があるんです。


洗ったはずなのに匂いがする、だから消臭をしなければ、となってしまう。


きちんと洗えてれば、洗い上がりで匂いはしません。

なので、着用してて匂いがしたら洗うサインだな、とわかります。


でも、洗い上がったそばから匂いがしてたら、着用して出てきた匂いなのか、元からなのか、分からなくなってしまう。


なんかね、対策をしてるつもりが汚れているか見分けにくくしてしまうなんて不自然なことをしてるんだろうなあって思うんですよ。



きちんと洗えると、特に服に何かをしなくても良くなります。

柔軟剤もいらないし、香料もいらない。

洗ってそのまま着て、汚れたら匂いがするからすぐわかる。


ね、自然でしょう?


これを何かで強引に抑え込むと、一瞬は楽になるんだけど、不自然な抑え方だから、その後が困るようになるんですよね。



小手先のテクニックで乗り切ってしまうと、後で大きなしっぺ返しを喰らう、これって色んなところで似たようなことが起きていますよね?



仕事でも、生活でも。



だから、小手先ではなく、きちんと根本を大事に丁寧にやっていくのがいいと思います。

いい仕事ほどシンプルですよ。


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