ブレないようにしなきゃ。
最近、なんでこんなにおかしなものがあるんだろう、と思うことが増えてきました。
僕らはクリーニング屋なので、主にクリーニングや洗濯についてそう思うことが多いんですけどね。
例えば、洗濯。
なぜ、すすぎ一回なんて変なものがスタンダードになってるんだろう、とか。
なぜ、あんなに少ない水で無理して洗おうとしてるんだろう、とか。
普通に考えたら、おかしなことをしてるんですよ。
で、おかしな事をしているので、それに対応した変な商品がまた出てくる。
部屋干し臭とかまさにそれですよ。
本来ならきちんとすすげば問題がないのに濯ぎの回数を減らしてるから匂いが発生する。
それをなんとかする為に、抗菌剤配合の洗剤とか香料のたくさん入った柔軟剤とかが売られてる。
濯ぎの回数を増やせば解決しちゃうのに、なんでそんなわかりづらい事をやってるんだか、と。
そんなおかしくなっていった洗濯を変えよう、と洗濯の教科書というものを作っています。
洗濯にまつわる本や情報は今までもたくさん出ていたと思うんですよね。
でも、結局、洗濯がおかしくなるのは変わらなかった。
なぜか?
それはピンポイントの情報だけ提供するから、大元が直らなかったからなんです。
洗濯の難しさって、考えなきゃいけないものがいくつかある事だと思います。
これをやればいい、というのはなく、洗濯物や汚れを考慮して状況に応じた洗濯方法を選ぶ必要がある。
すると、これをするといいですよ、という情報は、条件が変わると使えないことが多い。
よくテレビで洗濯のやり方を教えてくれる番組とかありますが、よく聞いてみてください、話してる人たちは服や色、素材を限定した上で、アドバイスしてますから。
条件を指定する事で、このやり方がいいですよ、と伝えてくれているんです。
で、今作ってる洗濯の教科書はある意味画期的なものなんですね。
自分で考えて洗えるようになる教科書。
やってる人にはなんら目新しいものはない、でも、一度理解するとなんの変哲もない情報が一気に使えてくる。
簡単にいうと応用が効くようになるんです。
応用が効く、自分で考えられるようになる、って実際は結構学ばなければいけません。
覚える事が結構あるんですよね。
すると、こんな事を言われる事があるんです。
もっとわかりやすく、初心者でも入りやすい内容で、と。
そうしてあげたいのは山々なんですけど、何十年もそうしてわかりやすく、ちょっとしたコツを、とやり続けてきて、変わらなかったし、逆にわからなくなって悪くなってきたんです。
わかりやすく、簡単に、とやってきた事が結果的に洗濯をおかしくさせてしまったんですね。
伝えたいのは、情報ではなく、その情報の使い方なんだから。
ここでさらに言われるんですよ。
でも、伝わらないとやってないのと変わらないから、と。
この悪魔の言葉ね。
これに何人の人が騙されてきたんだろう、と思います。
確かにそうなんですよ、伝わらなければやってないのと一緒。
だけど、だからといって伝えたい事を曲げる必要があるのか?という話なんですよね。
こっちの方がいい洗濯機なんだけど、求められているのが節水だからと水の足りない洗濯機を作る。
売れなきゃ意味がないからと。
洗剤も同じです。
今の洗剤で十分落ちるのに、匂い対策をしないと売れないからと余計なものを足していったり。
これも、売れなきゃ意味がないから、という言葉に翻弄された結果ですよね。
こうして世の中がおかしくなっていくんだろうなあと今感じています。
もし、今僕らが、伝わらなきゃ意味がない、読んだ人が興味持ってくれなかったら意味がない、とピンポイントのアドバイス的な教科書にシフトしていったら。
それは今までと何も変わらず、相変わらずきれいになったりならなかったり、普通に洗えたりおかしくなったり、とまるでギャンブルのような洗濯がこの先何十年も続いていくんだと思います。
伝わらなきゃ意味がないんです。
ここは同意します。
だから、僕らがやる事は、大事な部分を守りながら、理解してもらうように我慢張るしかないんですよね。
伝えていくんです、これを。
自然に伝わるのを待つのではなく。
伝わらなきゃ意味がない、という言葉の解釈をどう取るか?
そこなんだろうなあ。
そういえば、以前マンションの販売をしているお客さんがいらしてこんな話をしてましたね。
マンションの販売ですぐ売れるときは値付けを間違えたときだ、と。
いいマンションの売れ方は、頑張って頑張ってようやく完売できるくらいがいい販売の仕方だと。
受け入れやすいのは大事だけど、根本が狂ってはいけませんよね。
ブレないようにしなきゃな。
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