クリーニングと洗濯、どう分けていいかわからないんだと思うんですよね。
有名人や芸能人の方って光っていて、さらにみんなに憧れられてて、メンタルも強そうな気がするじゃないですか。
でも、僕らが思ってるのと本人たちが感じているのは少し違うみたいなんですよね。
意外と、必要とされてない、好かれてない、と思う人は多いみたいです。
かのイチロー選手ですら、本人曰く大リーグに移籍する時に、みんなから通用しないと批判されたと話していました。
僕はそんな気は全くなかったので、逆に驚いたんですけどね。
イチロー選手と比較するのは烏滸がましいですが、クリーニング屋さんも実はあまりよく思われてないんじゃないかな?と思ってる人多いと思うんですよね。
自分が、というよりもクリーニングそのものが良く思われてない、と思ってる業界人は沢山いると思います。
大手チェーン店の品質が悪いから業界の信用がなくなったんだ!
そういう方々もいます。
いやいや、個人店も悪いところがあってそういうところ含めて信用無くしたんだ!
という方もいます。
かと思えば、全然悪いと思われてるとは感じてないクリーニング屋さんもいます。
面白いですよね、感じ方は人それぞれなんだけど、真逆の感じ方をするなんて。
確かにこの20年くらいを振り返ると、クリーニング業界では売上が上がったことはほぼないんじゃないかな?
災害で極端に減った後に少し戻って前年比よりも上がったケースはありましたけど、基本前年割れだったと思います。
業界全体の売上ですよ。
個々では売り上げを上げているところはあります。
この一年、クラブハウスで話してきて感じたことがあるんですね。
それは、クリーニング離れの原因は、既にクリーニングではないんじゃないだろうか、という事なんです。
確かに、結構なお年を召した方のお話を聞いていると、クリーニングを利用しない理由は過去に嫌な思いをしたから、というのはありました。
でも、その話も10年以上前の話ばかりで、今現在の話ではありません。
色々と話を聞いていると、そもそも服をどう選別していいか?クリーニングに出すものなのか、自分で洗うものなのか、その区別がついてないのが原因なんじゃないか、というふうに見えてきたんです。
洗濯のご相談を受けていて、皆さん相当苦労して洗おうとしているんですよね。
よく頑張りました、ここまで落とせば十分ですよ、という方も沢山いました。
家庭での洗濯では限界と思われるのに、まだ汚れが残っている、と悩んでいる方って多いんですよね。
これはクリーニングした方がいい衣類です!
とお伝えした時に、ホッとした声を出す方も何人も見てきました。
以前ならクリーニングに出してください、というと、よく思われないんじゃないか、と思っていましたが、実際話してみるとクリーニングの方がいい、とわかって安心したという思いの方が強かったようです。
つまり、家で洗うのがいいのか、クリーニングの方がいいのか、わからなかった、ということになります。
最近、特にわからない方が増えたと思うんですよね。
原因の一つは、服の安さにあると思います。
あまりにも安いので、そこまでデリケートな服に思えないんでしょう。
でも、値段とデリケートかどうかは別の話で。
元の状態に限りなく近く洗いたいならクリーニングの方がいい服は安くてもあります。
また、普段着の中に高級な素材が入り込んでいたり。
その結果、扱いがとても難しいのに普段着だからと洗濯をしようとする人が沢山いるんですよね。
いろんなものがごちゃごちゃになっててわかりたくなっているんだろうなあ。
そもそも普段着っていう言葉も曖昧ですしね。
僕らクリーニング屋が思っている普段着と一般の方が思っている普段着はきっと違うと思うし。
クリーニングした方がいい服とその理由をきちんと説明してあげれば、クリーニングの利用はもっと増えるんじゃないかと思いますけどね。
どうも職人気質だから、技術の良し悪しを語りたがるんですけど、そこじゃないと思うんだよなあ。
冷静に現実を見直した方がいいですよね。
既にクリーニング屋さんが思っている現実と本当の現実はかなり違うと思います。
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