跡継ぎ。
クリーニング業界にも色々な問題がありましてね。
その中の一つに、後継者難、という問題があるわけです。
どこの個人事業主でも同じような話をしているのかもしれませんが、後継がいない、後を継がせたくない、そんな話はちらほら聞こえてきます。
クリーニング屋さんもコロナ禍以前からずーっと売り上げの下がり続けている業界なので、後を継がせたくない、という人が沢山います。
いいですか?
継ぎたくないではなく、継がせたくない、なんです。
大変な仕事でさらに稼ぐことも難しい。
そんな仕事にかわいい子供たちに後を継いでくれ、とは言えないってことなんだと思います。
実際、僕の友達も子どもには継がせないよ、とはっきりいう人がほとんどです。
ねえ、僕はたまにここで書きますが、クリーニングの未来が危ないよ、皆さんの衣類を安全に洗ってもらえるところがなくなるよ、っていうのはここからも来ています。
先日、友達の引っ越しを手伝った時のこと。
そこに友達の息子さんも手伝いに来てたんですよ。
友達の息子さん、なんとクリーニング屋になるために新宿のクリーニング屋さんに修行に来ているんです。
かなり珍しい話なので、時間がある時に聞いてみたんですよね。
なんでクリーニング屋になろうと思ったの?って。
そうしたらこう答えてくれました。
自分がやらなきゃいけないな、って。
お父さんの仕事を見ていて、この仕事を続けなきゃいけない、自分がやらなきゃいけない、と思ったんだそうです。
で、お父さんに話して、修行に出た、と。
その修行先もお父さんが昔修行に来ていたお店。
なんとも深い縁を感じるなあと思って話を聞いていました。
後を継ぐってどんな気持ちか?と言われると、他の人は知りませんが自分がやる、と思うから継ぐんです。
中には仕方なくやっている人もいると思いますけどね、少なくとも僕は自分でやる、と決めてお店に入りました。
僕の場合は修行ではなく、クリーニング学校に通わせてもらいましたけど。
うちはまだ誰もこの後の話はしません。
やるというかもしれないし、やらないというかもしれない。
まあ、どっちでもいいです。(笑)
強制するものでもないし。
でも、多分僕は子どもにこういうと思うんですよね。
大儲かりはしないけど、クリーニングは楽しいよ、って。
お金を稼ぐだけなら他の仕事の方が圧倒的にいいです。
それに、服を扱うのはとても大変ですから勉強も必要。
大変なことの方が多いとは思ってます。
厳しいことも多々あるし。
それでも、いうと思うんだよなあ、面白いよって。
うちの子も、クリーニング屋をやりたい、というんだろうか、と友達の息子さんと話しててちょっと思ったりしました。
自分たちが二代目として若かりし頃に色々していたのに、そしてまだ若いつもりでいたのに。
いつのまにか、後継の話が出る年になっているんですねえ。
いやー、時の経つのは早い。
で、実は友達の息子さんとこっそりと約束をしたんですよね。
数年後にはクリーニング師として実家に帰る、というので、したら数年後にはうちらと仲良く遊ぼうな、と。
君のお父さんとは沢山勉強もしたし、沢山遊んだ。
だから、数年後にクリーニング師になったら、一緒に勉強して沢山遊ぼう、と。
その時が楽しみだなって。
うなづいてましたけどね、まあ、鬱陶しいと思ったかもしれない。(笑)
数年後はまだ僕も現役ですからね、勉強はしてますよ。
そして、温泉に行ったり、どこかのクリーニング屋さんに突然行ったり、まだまだ遊んでいると思います。
一緒に遊びまわる日が来るのが楽しみです。
その頃はうちの子も修行してたりして。(笑)
どうなってるかなあ。
| 固定リンク | 0
「クリーニング」カテゴリの記事
- ワイシャツはどこが汚れるか?(2024.08.20)
- 手が引っかかる問題。(2024.08.21)
コメント