アイロン台。
ブログを読んでくださいっているお客さんから、アイロン台について書いてください、と言われました。
という事で、今日のテーマはアイロン台。(笑)
アイロン掛けで何が大事か?と言われたら、皆さんなら何をあげますかね?
ほとんどの人はアイロン!と答えると思うんです。
軽いもの、持ちやすいもの、蒸気の出るもの、シワの取れるもの、まだあるでしょうか?
僕らクリーニング屋さんは多分こう答えるんですよね。
アイロン台が大事だ、と。
なぜアイロン台が大事か、というと、シワが取れるためにはアイロン台の力が必要だからなんです。
皆さんが使っているアイロン台の中で、どれが1番いいですか?と言われたら、僕らは多分選びません。
なぜなら、家庭用のアイロン台では伸びないからです。
そういう意味では、どれを使っても大して変わらない、自分の使いやすいものを、となるんですよね。
僕らクリーニング屋がアイロン台に求める性能は?
冷やす能力を求めるんですね。
僕らが使うアイロン台は、バキュームが付いていて、下から蒸気を吸うようになっているんです。
なぜこの機能が必要か?というと、生地が伸びるためには最後冷やさなければいけないからなんですよね。
生地が伸びて、シワが取れた状態でセットされるには条件があります。
一つは、湿らせて生地を柔らかくする事。
次は、熱で生地を平らにならすこと。
そして最後、冷やして固定すること。
この3つが必要なんですよ。
で、このためにバキュームで熱を吸い取って冷やしている、というわけです。
家庭用のアイロン台にはこの機能がついていません。
ではどうするか?というと、湿らせて熱で伸ばしたら、最後そのまま放置して粗熱を取るんです。
これで、ビシッ!と固定されます。
アイロンは熱がかけられればいいから最悪なんでもいいんですよ。
でも、アイロン台だけはバキュームが必須なので、どれが大事か?と言われたらアイロン台、と答えるわけですね。
実は、家庭用でもバキュームのついたアイロン台が売られています。
しかし、ものすごく高かったり、名ばかりのバキュームで力が弱かったり、いまいち実用的ではない。
これなら、布団を三つ折りにして、その上でアイロンかけても足りるくらいです。
今売られている家庭用のアイロン台は、蒸気の抜けを宣伝していますよね。
あれも大事だとは思うんですよ、なぜなら蒸気が抜けてくれないとアイロン台に溜まるから。
最悪、濡れちゃうんですよね、アイロン台が。
それだと使えないので、蒸気の抜けの良さをアピールしているんだと思います。
家庭のアイロンでシワが取れた!というのと、僕らクリーニング屋のシワが取れた!は全然違います。
その理由はアイロン台にあるという事は、なかなか知られていません。
ともすると、アパレルでさえ知らない人もいると思います。
クリーニング屋さんが、クリーニング屋さんに見学に行って、アイロンを見てこれ欲しいなあ、とは言いませんが、アイロン台を見てこれ欲しいなあ!とはよく言います。(笑)
それほど、アイロン台は大事です。
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