使えないお金。
友達が店舗の引っ越しをしています。
あまりにも急な引っ越しで、人手が足りない。
という事で、手伝いにいこうとおもっていたんですが、平日はいけない。
うち、子どもがいるから、聞いてみたんですよね。
引越しの手伝いに行ってもらえるかな?と。
バイト代を出すから行ってもらえるか?と聞いたらいいよ、との返事。
そして、木曜日に長男を派遣したのでした。(笑)
朝7時に伊那から友達が来まして、長男をピックアップ。
8時半には現地に着いていましたか。
お店には行った事があるので、どのくらい大変か?想像がつきます。
梱包するもの、壊すもの色々ありますからね。
結局この日のお手伝いは本人含め3人。
途中、何度か連絡して状況の確認。
やはり難航しているようで、ハードさが伝わってきます。
結局、長男が帰ってきたのは午後9時でした。
丸一日働いてきたんですね。
日曜に僕が手伝いに行くんですが、その時に積む荷物を写真で見せてもらうととてもじゃないけど詰めるような量じゃない。
それでもかなり片付いた様子。
頑張ったんですねえ。
帰ってきた長男。
疲れたけど今日あった話を嫁さんにしています。
手伝いに行った先で、バイト代をもらったようなんです。
いや、お父さんからもらうことになってるからいらない、と辞退したらしいんですよね。
したら、周りの大人が、お父さんには内緒でもらっておけ、と。(笑)
周りの大人、僕の友達であり後輩なんですよね。
後輩なのでいつも僕に気を遣ってくれているんですが、妙に大人びた話を聞いて、こうして次の世代に渡っていくのね、なんて後から話を聞いて少しうるっときましたね。
そして、さらに長男がこんなことを話している、と。
このお金、使えない、と。
この日1日で、彼らの中にどんな絆が出来たのか?分かりませんけど、それだけいただいたバイト代は、長男にとって重いものとなったようです。
それゆえに、このお金は使えない、と言う気持ちが出たんでしょうね。
実は僕にも使えないお金があります。
二千円なんですけどね。
僕がまだ20代前半の頃、ばあさんが都立病院に入院してたんですよ。
で、ご飯がなかなか食べられなくて、レトルトのカレーをかけたら食べれる、と。
それで、仕事を抜け出して病院にカレーを届けに行った事があったんです。
僕からしたら頼まれたから当たり前に持って行っただけで、べつに特別なことをしていると言う意識もありましん。
その僕に、タクシーを使ってもこのくらいかかるから、と二千円くれたんですよね。
いや、お金をもらえほどのことじゃないし、と思いながら、取っとけと言われたのでもらいました。
でも、そのお金、使えないんですよ。
余命いくばくもないばあさんからもらったと言う思いと、当たり前のことをしただけなのにと言う思いと、お金なんてそんなに持ってないのに僕にくれなくてもいいのにと言う思いと。
いろんな想いが複雑に絡んで、今でもその時の二千円は机の引き出しに入っています。
多分、一生使いません。
ばあさんの墓に持って行ってもいいのかな、と思いますが、お金をつっかえすのもなあ、逆に怒られそう、と思うと結局そのままですね。
長男がもらったバイト代も、きっといろんな想いがあるんでしょう。
是非、有意義なタイミングで使ってほしいなあ。
取っておいてもいいけどね。(笑)
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