クリーニングの基本を学ぶ所がなくなる。
僕は、東京クリーニング学校という所を卒業しています。
今から29年くらい前かな?
嫁さんは数年前に通っていました。
日本にクリーニング学校というのはいくつかあります。
愛知、大阪、他にもあったかな?
東京のクリーニング学校はかなりきちんとしてて、火曜日から金曜日まで夕方6時から9時まで授業がありました。
みんな日中仕事をして、夜は学校で学んで、を一年続けます。
クリーニング学校ではクリーニング屋をやるにあたり必要な資格は全て取らせてもらいました。
危険物、クリーニング師、主任溶剤管理者、簡易ボイラー、などなど。
さらに繊維の勉強から洗浄の勉強、衛生法規や実技まで幅広く学べます。
講師陣たちもかなりすごい人たちが集まっていました。
経営学の先生は紫綬褒章をもらったとか話してましたかね。
その当時はなんのこっちゃ?って感じでしたけど。(笑)
一年きちんと学べばクリーニングの基本が全部学べる、そんな学校なんですね。
ところが、数年前からクリーニング学校が生徒を集めなくなったんです。
元々集まらなくなっていましたが、今年はクリーニング学校はやりません、とアナウンスしたんですね。
で、やはりというか、今年もどうやらやらないらしい。
学校を維持するのに生徒が集まらなければできない、当たり前の話なので理解はするんですけどね、でも、他にクリーニングをきちんと学べるところがないんですよね。
そう思うと、これからクリーニング屋になろうとしている子たちには辛い時代だなあと思います。
ぼく、割とクリーニング業界で顔が広いんですよ。
無駄に歳食っているというのもありますが、ネットがクリーニング屋にはいつまできた時代にうまく出くわしまして、日本中のクリーニング屋さんと会ったり話したりしてきました。
友達もたくさんできましたし、今でもお付き合いのある人たちは沢山います。
たくさんのクリーニング屋さんに会ってきましたが、みなさんどこでクリーニングを学んだか?というと案外自分の店で親からというのが多いんですね。
または、どこかに修行してた、とか。
意外ときちんと学んでないんですよ。
だから、話してて怪しい話をするクリーニング屋さんって結構いて、なぜそんな風になっちゃうかというと、きちんと学ぶ機会がなかったから。
親父さんたちに教えてもらうと言っても、その親父さんたちが今のドライクリーニングを一から作ってきた人たちなので、学ぶというよりは現場で肌で感じながら覚えてきたんです。
もちろんそういう覚え方は現場で強いのですが、それだけでは綺麗にできません。
きちんとした理屈や道理を知らないと次に進めない。
そういう学びをしてきたクリーニング屋さんは案外少ないんですよね。
基本を学び、そこから染み抜きや特殊な洗い方を覚えていく、それが一番理想なんですが、基本が抜けた状態で染み抜きとかに手を出すと、根本的な間違いをしてしまう事がよくあるんですよ。
これから基本を学べるところがなくなるんです。
いよいよクリーニング屋さんになろうとしても慣れない時代になってきたなあ、と思います。
いつか復活するのかなあ。
それともこのままクリーニング学校は無くなるのか。
どうなるんだろう。
うちの子達がクリーニング屋になりたい、と言い出したらどうやって教えようかなあ。
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