人に洗濯を教えてはいけない。
みなさん、洗濯に自信はありますか?
洗濯のお話を聞いていると、この人自信あるんだろうなぁと感じることが多々あります。
そして同時に、でも根拠ないんだろうなあ、とも思います。
どうして汚れが落ちるのか?
なぜそのやり方をするのか?
これに答えられる人たちってほとんどいないと思います。
また、仮にこれに答えられたとして、ではなぜこの服の時にこれをしたんですか?と質問をして、正しい答えができた人を僕は知らない。
洗濯って、やることに全て意味があって、なんとなくの作業はひとつもありません。
水の量も、洗う時間も、脱水の時間も。
これ、逆を言うと、根拠や理由なくやってた場合、ものによっては縮んだり、色が褪せたり、穴が空いたり、と洗濯事故になってしまう。
そこまで大きなものでないとしても、しらっちゃけてしまうとか毛羽立ってしまうとかは、軽い部類の洗濯事故。
服もものなので、作った時のまま、買った時のままでいることは不可能なんだけど、それでもできる限り初期の状態に近いように洗えるのがいいわけです。
みなさん、汚ればっかりに意識がいくんですよね。
この汚れを落とすにはどうすればいいですか?質問はほぼこれです。
でも、汚れを落とそうとしたら、汚れだけみてたら落とせない。
なぜなら、汚れがついているのは服だから。
その服がどんな状態になっても構わないならやり方はいくらでもあります。
でも、先ほども書きましたが、洗濯事故になるようなことは避けたい。
すると、汚れを落とそうとしたら、まずその服のことを見て、その服にできる処理方法で汚れを落とすやり方を考えなきゃいけないわけですね。
仮に簡単な汚れだったとしても、です。
服がどんな服か?わからないとアドバイスも危険なことがあります。
もう一度。
洗濯に自信のある人、沢山いますよね。
そして、その自信のある人たちって、案外安易に洗濯の質問に答えていたりするわけです。
染み抜きの方法や、こうやったら汚れ落ちるよ、と簡単に答えている。
やめた方がいいですよ。
これ、本気で言ってます。
根拠や理由をきちんと説明できないなら、教えちゃダメです。
先ほども書きましたが、汚れの落とし方だけではダメで、その服がどんなものなのか?知った上でないとものすごく危ない。
もし、洗濯に自信がある、染み抜きに自信があるとやり方を教えて、穴が空いたら誰の責任になるでしょう?
色が褪せたら誰の責任になるでしょう?
やった人?
教えた人?
どっちですかね?
ね、怖いでしょう?
教えるってこう言うことなんです。
教えた人には責任が出る。
だから、僕らクリーニング屋さんが教えるときは、必ず服のことを聞きます。
そして、それでも不確定な要素が多い時には、絶対事故の起きないやり方を教えるか、もしくはクリーニングに出すことをお勧めします。
僕らプロでさえ、こんなふうに慎重に教えるのに、きちんと学んでいるわけではない、根拠や理由がはっきりあるわけでもない、ただ洗濯に自信のある人たちが教えるってすごいリスキーなんです。
だから、絶対人に教えるのはやめた方がいい。
本気で心配してるんですよ。
だってね、善意で洗濯や染み抜きを教えたのに、恨まれることもあるんですから。
そして自信のある洗濯、見直しましょう。
その自信はハリボテですから。
そこに真実はない。
仕方ないんです、だって洗濯をきちんと学ぶ場が日本にはなかったんですから。
洗濯機を買ってもマニュアルはあるけど、洗濯のやり方が載ってるわけではない。
学校で洗濯のやり方を学ぶわけでもない、
洗濯をきちんと学ぶ場は生きてきてほとんどの人がなかったんです。
僕はクリーニング屋になる時に、クリーニング学校に通って洗浄の理論とか学びました。
これを学ぶと今の洗濯がいかにおかしいか?よくわかります。
たかが洗濯、でも、その洗濯をきちんと学ぶと衣類に関わることが全然変わってくる。
だから、学んでほしいなあと思います。
そのための第一歩は、今の洗濯を一旦捨てること。
自信を捨てること。
それから学び直すと違ったふうに見えてくると思います。
やってることが同じように見えるのが、混乱してしまう理由だからです。
最初の入口を入り直せば確実に洗濯は良くなります。
どうか、安易に人に抑えるのだけはやめてくださいね。
本当に心配だ。
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