色素の汚れ???
クリーニングって洗う専門家です。
みなさんがどう思っているかはわかりませんが、洗うと言う事に関して、かなりハイレベルな専門家と言ってもいいと思います。
自分で言ってちゃおしまいと思うんですが、10年以上、洗うと言うことを色々と見ていると、クリーニング屋って実はかなりすごいことしてね?と思えてきちゃうんですよね。
世の中色々洗うものはあります。
しかし、その洗うと言う原理や理屈でおかしな話がたくさんあるんですよね。
僕らクリーニング屋は服を主に洗いますが、洗うと言う原理や理屈は他でも共通していると思います。
だから、僕らが食器とか洗うととても綺麗になるんですよ。
なぜなら、汚れが落ちる原理を知っているから。
知っていれば誰でもできる。
基本的な事なので難しいわけでもない。
でも、この基本的な話を知らないといくらやっても綺麗にならない。
シンプルでしょう?
カレーを食べた後の食器洗いの話がネットに出ていました。
質問した方は、カレーを食べた後の鍋や皿の汚れがなかなか落ちない、と。
どうすればいいのか?と困っている様子。
しかし、その質問もおや?と思うような質問なんですね。
こんな表現をするんです。
カレーの色素が落ちない、と。
カレーの色素?
皿の?
鍋の?
色素?
???
はてながたくさんつくわけですね。
服についたのなら最後カレーの色素が残るのはわかります。
皿や鍋に色素だけ残るってあるのかな?
そもそも染み付いているわけでもないだろうに???と。
さらに読み進めていくと、こうやって洗うと色素が取れるよ!といくつかやり方が出ています。
お湯で洗うといいよ!
お湯と洗剤で落ちるよ!
カレーの汚れならこれで落ちると思うんです。
で、これで落ちるなら色素ではないんですよね。
色素が残ると洗っても落ちないし。
色って洗って落ちるようなものではないですからね。
百歩譲って質問者の方は素人の人ですからいいんです。
でも、それに応えているプロの方が色素の汚れ、と言うのはどうなんだろう?と悶々とするわけですね。
汚れを落とすって、まずきちんと認識する事が大事なんですよ。
だって、それが汚れなのか汚れじゃないのか、で変わってくるでしょう?
さらに、汚れが表面についているのか、中に染み込んでいるのかでも落とし方は変わるでしょう?
その汚れがどんなもので、どんな風についているか?を知るのって大事なんです。
で、それをきちんと伝えないプロってやはりおかしいと思うんですよね。
なんか、汚れを落とす事が、いろんなところでおかしくなってしまっていると感じます。
プロを名乗る人たちが変な話をしたり、消費者が変な解釈をし始めたり。
現実とどんどんかけ離れていくように見える。
洗うと言う行為がおかしくなっているのか、それとも全体的におかしくなっているのか、なんなんでしょう。
こんな事してたら、10年経ったら誰も何も洗えなくなってたりして。
いやいや、まさかねえ。
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