安い服をクリーニングするか?問題。
服の悩みの中でここ20年くらいで問題になるのはこれじゃないか、と思うんですよ。
安い服をどうするか?
昔ならファストファッション、今ならプチプラというんでしょうか。
購入金額の安い服がたくさん出回っています。
初期の頃はシンプルないわゆる部屋着みたいなものばかりだったのが、今や十分人に会うときに着ることができるレベルの服も安くなっている。
その服を洗うのか?クリーニングに出すのか?また着るのか?
この問題が起きているんですよね。
昔だと服の値段が結構したので洗うもしくはクリーニングの選択肢だけで済んだんです。
しかし、千円を切るものが出たり下手すると数百円レベルの服をクリーニングするのか、自分で洗うのか、はたまた捨てて買い直すのか、本当に難しいと思います。
値段だけでいうと、また買うことができる値段ですから、商品さえあれば買い替えという選択肢も十分にあると思います。
しかし、商品そのものが着れないわけじゃない。
別におかしくなってもいないのに、購入した時の金額が安いというだけで次の行動を躊躇うんですよ。
ね、おかしいでしょう?
ここにさらに複雑化させる問題があるんです。
それは、クリーニングをするべきものなのに安かったらどうするのか?
例えば、カシミヤのニット。
今安いのだ5000円以下で買えますよね。
ともすれば2000円とかもあります。
2000円で購入したとしても、カシミヤはカシミヤなわけです。
安いからと家庭の洗濯機でじゃばじゃば洗えるわけではない。
値段がその服の洗い方を決める理由ではないからです。
たとえ安くても、カシミヤならカシミヤにあった扱いをしなければいけないのに、安かったからという理由でクリーニングを渋ってしまう。
ね?おかしいでしょ?
値段は価値なので、安いということは良い商品でないと言えなくもない。
もしくは買い替えのハードルが低いとも言えます。
でも、昨今の環境への配慮などを考えるとら安かったからとぞんざいな扱いをして良いというわけでもない。
これに答えをくれたお客さんがいました。
うちはクリーニング屋さんの中でも高料金です。
手をかけて仕事をしているので必然的に料金が高くなります。
では、ウチのようなお店にファストファッションの服が出ないのか?というと出るんですよね。
ユニクロの商品、GUの商品、出ます。
それも何年も同じ人から出ます。
そのお客さんから聞いた話は納得のいくものでした。
買った時の服の値段が安いとクリーニングに出すのをためらいませんか?
そう聞いたんです。
するとこう答えてくれました。
買った時の金額が安くて、それをクリーニングして長く使えるならお得でしょ?
だって、買うときに高く買っても変わらないんだから。
同じようにクリーニング代はかかるし、同じだけ長く着られるのなら、安く買った方が得じゃない。
ならほど、と。
このときなぜこんな質問をしたのか、というと、この時は購入金額が安いとクリーニング代で買い替えられてしまう、という話が当時出ていたからなんですよ。
二回クリーニングを我慢すれば新しい服が買える、ならクリーニングをしない方がお得じゃないか、そんな話が出たことがあったんですね。
クリーニング屋の僕としても随分悩んでいたので、このお客さんの答えは納得でした。
それから少し自信持てたかなあ。
服に対する意識は人それぞれです。
でも、買う時の値段に振り回されるのもなんだかなあ、と思います。
着れるものは洗って来た方がいいと思いますよ。
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