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暖かく着るには?

東京都が今年の冬の対策でタートルネックを推奨しているようですね。



首元が暖かくなると確かに体の負担が減ると思います。

実は毎年首から肩を冷やしてしまうんですね。



ほら、クリーニング屋っていつまでも暖かいでしょう?

みなさんがダウンを着始めても店の中では半袖のTシャツで仕事をしていたりするんです。

で、休憩中に階段の横で座っていると上から階段を伝って冷気が降りてくるんですよ。

それにやられて首が痛い、肩が痛いと接骨院の先生にお世話になるわけです。


タートルネックはいいんですけどね。

クリーニング屋としてはそれ以外にも正しいお手入れをぜひ推奨したい。


なぜなら、お手入れの仕方によっては暖かさが段違いで変わるから。



タートルネックというといわゆるニットですよね。

みなさん、ニットという言葉で一括りにしていますけど、素材によって温かくなる原理や扱いは変わります。

なので、まず素材の確認をする必要があるわけですね。



ニット製品に使われる主な素材は、ウール、ポリエステル、アクリル、綿、シルク、こんな感じでしょうか。

たまにナイロンが入ってたりレーヨンが入っていたりすることもあるかもしれませんが、主に前者の五つが多いと思います。


まず、ウール。

これは疎水性の繊維なんですね。

つまり、汗などの汚れはつきにくいんです。

どちらかと言うと汗よりも埃などがつきやすい製品になります。

糸のより方、ねじり方で毛玉の出来やすさは変わります。

このウール、そんなに頻繁に洗う必要はないんですよね。

きたら毎回洗う必要はない、洗う前にハンガーに掛けて湿気を飛ばす方が先。

さらに、ブラッシングをして埃をとる方が先。

ウールのニットを毎回洗おうとするとどうしてもクリーニングではなく家庭での水洗いをしようとするんですが、洗い方を間違えると縮ませてしまうことがあるのと、水で洗うと腰が抜けるのでお勧めしません。

買った時と近い状態で着たいなら、頻繁に洗わないでたまにクリーニングが正解です。



ポリエステルのニットもあります。

こちらは強い繊維の代名詞ですから、家庭でも普通に洗える。

しかも、形態変化しにくいので洗う時もウールのように気を使う必要はあまりありません。

ただし、濡れた状態でハンガーにかけると自重で伸びてしまう可能性もあるので平干しをしましょう。

ポリエステルも疎水性の繊維ですから汗汚れよりも埃などの方が気になる素材です。


アクリルも化学繊維です。

ウールに似せて作られた素材で、空気を含ませることで暖かくしています。

アクリルの注意点って乾燥工程なんですよね。

熱で伸びてしまうことがあるんですよ。

その点に注意をしていただけるとご家庭でも洗うことは可能かな、と。


綿とシルク。

この2つはデリケートな素材になります。

シルクは特にデリケートなので家庭で手をつけるのはまずやめましょう。

綿の場合も、素材で考えると家庭で洗えなくもないですが、綿のニット製品の場合、色が付いていることが多いので洗い方を間違えると色がどんどん褪せていきます。

買った時の状態をキープしたいならクリーニングです。


ネット製品の多くは、空気の層を作って暖かくしています。

ウールもシルクも綿も。

この空気の層を作るために、ふんわりとさせる必要があるわけです。


汚れていると空気の層もなくなり暖かくなくなります。

だから洗う必要はあるんですけど、だからと言って着たら毎回洗うのはやり過ぎ。


着たら、休ませ湿気を抜いて。

すると生地の復元力でまた生地に空気を含む層が出来ます。

そうしたらまた着て、そして休ませて。

休ませながら全体をよく見て、うっすらと汚れてきたなと思ったらクリーニング、これがお勧めです。

だいたい3週間から一月くらいでそのタイミングが来ると思います。

もし、もっと早く汚れてるよ!と感じた時は、服の数を増やしましょう。

そして、休ませる時間を長くとる。


これで暖かく過ごせますよ。


今年の冬は正しいメンテナンスをして、快適に過ごしてもらいたいですね。



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