大掃除をしなくなる人が増えると?
去年でしたか、とあるアンケートで年末の大掃除をやるか?に約半分の人がやらない、と答えていました。
今年も同じアンケートが取られててやはり似たような結果に。
年末の大掃除の風物詩も無くなりつつあることがわかってきましたね。
こまめに掃除しているから大掃除などいらない、という人もいます。
また、年末年始を特別だと思ってない、という人もいます。
ただの長期休暇なので必要な時にやればいい、と。
で、うちらクリーニング屋の感覚だと良くわかるんですよね。
というのも、もう何年も前から衣替えの意識が変化していっているなあと感じていましたから。
かれこれ20年ほど前から変わってきていました。
20年ほど前の最初の変化は、しまうから洗うから着るから洗うに変化し出した事。
それまでは3月から6月の間に冬物を洗ってしまうのが衣替えだったんですね。
まあ、クリーニング屋だから洗ってしまうと表現していますが、要は今まで着ていたものをお手入れしてしまい、これから着るものを出すのが衣替えだったわけです。
これがこれから着るから洗う、に変化したんですよ。
つまり、冬物を洗うタイミングが冬に入る直前か冬に入ってから洗う人が出てきたんです。
僕らクリーニング屋なんで敏感に感じるわけですよ。
あれ?春の衣替え、なんか少なくなってない?と感じ初めて、冬に入る頃になんで今頃コートとかクリーニングに出てくるの???と不思議に思い始めたのが20年ほど前。
ここからさらに変化し始めているんですね。
ちなみに春の衣替えも実はクリーニングに出る順番があるんですね。
最初はコートなどの防寒着、その後にセーターなどのニット類、そしてスーツがクリーニングに出て、最後は布団や毛布で衣替えは終わるんです。
これが変化し始めます。
まず順番がほぼなくなるんですね。
全部まとめて出るようになるんですよ。
順番ではなくなっちゃう。
そして、その内、3月や4月にあまり出なくなる。
あれ?今年の繁忙期はいつ?と思っていると、ゴールデンウィークあたりにドバッと出始めてみたり。
そして、その内、ゴールデンウィークの後に出始めるようなってみたり。
もちろんその間、冬の直前に洗う人もどんどん増えていってるんですよ。
で、気になったから色んな人にお話を聞いてみたらわかったことがあったんですよね。
忙しいのでまとまった時間が取れる時に衣替えをしている、と。
共働きも増え、残業も当たり前になり、誰しもが忙しくなって行ったんですよ。
そこに衣替えの服の入れ替えや仕舞い洗いなどはなかなか出来ない。
やるなら時間が取れる時にやるしかない、というわけです。
だからゴールデンウィークだったり、会社の仕事がひと段落して有給取れる五月後半から六月あたりに休みを取って衣替えをしたり、となっていったわけですね。
生活の変化だからそうなるのはある意味当たり前ではあるんですけどね。
文化がなくなるとは言いませんが、同時に日本の環境に合わせて慣習としてあった衣替えがなくなるのはいいのかな、と思ったりもします。
大掃除なんかも同じで。
自分の意思で、自分のタイミングでって良さそうで案外良くないんですよ。
だって自分で全部決めるんですよ。
思い立たなきゃやらなくなるし、洗い忘れ掃除し忘れ、どんどん増えていっています。
この時期はこれをやるもの!と決められてるってやるのは確かにめんどくさいし、意味不明なルールに見えるんだけど、決められてるからやるっていうのは、掃除をしたり衣替えをしたりする動機を作っていると考えると、めんどくさいけど必要だったんじゃないか、とも思うわけです。
クリーニングは服が最後に来るところです。
うちらが洗ってきれいにして再生させることでまた皆さんの元に戻り、心地よく服を着る。
その1番最後に来る僕らが、汚れがひどくなっているな、とか、傷んでいるな、とか思うことが増えているのが今の状況はあまり良くないという事を表していると思います。
大掃除や衣替えがどんどんやらなくなると、世の中荒んでいくだろうなあ。
これは当たり前ではないよ、と誰か言わないと止まらないですよ。
せめてね、今風にアレンジした大掃除や衣替えを提唱して変えていかなきゃ、と思います。
今年はですね、お店の前のガラスをきれいにすべく、秘密兵器を用意しました。
実はそれを使うのが楽しみで楽しみで。(笑)
きれいになるかなあ。
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