クリーニングは仕方なく使うものではないぞ?
なんでクリーニングを利用するのか?
この話をクリーニング屋さんの中でしているとおかしな話をし出すんですよね。
自宅で洗えないものをクリーニングへ、とか。
自分で洗うのが不安なときはクリーニングへ、とか。
クリーニングに出す前提が全部ネガティブなんですよ。
自分で洗えない、失敗するか不安なときはクリーニングへ、と。
もうね、昭和から平成の間、ずっとクリーニング屋さんたちはこう消費者に伝えてきたわけです。
でも、自分のお店を利用してくれている人たちは自分で洗えないから頼む人もいますが、多くはクリーニングに出した方が綺麗になる、状態良く着られると思っているから利用しているんですよね。
日々、クリーニング屋さんはそういうお客さんの品物をお預かりしているので本来は知っているはずなんですよ。
みんなクリーニングの方がいいと思って利用しているって。
なのに、クリーニングを利用してない人に声をかけるときはネガティブな話ばかりになる。
もうね、この話をクリーニング屋さんから聞くのにうんざりしているんですよね。
なんでそんなネガティブな話をしてクリーニングに振り向いてもらおうとするのか。
意味がわからない。
素直に言えばいいんですよね。
それ、クリーニングの方がいいですよ、と。
クリーニング屋さんは消費者に向かってこう言うんです。
失敗しますよ。
縮みますよ。
風合い変わりますよ、と。
そうして負の情報で消費者のほっぺたをぶん殴ってきたんですよね。
みんな、失敗するからクリーニングに出しなよ?って。
これね、僕がクリーニング屋さんになった頃から、多分その前から言ってたと思うんですよね。
30年以上、クリーニング屋さんは消費者に向かってこんな話をしてきたわけですよ。
で、それでクリーニングに服が出たのか?と言うとそんなことはなく。
具体的にどんなふうになるのか?も説明のない脅しなんてみんな信用しませんからね。
洗ってみたら洗えた、が積み重なり、その内洗濯後の品質もどんどん低下してきて、このくらいなら着られる、のハードルが下がって行った結果、自宅で洗える、と思い込んでしまってる衣類が増えてしまったんですよね。
実際、外を歩いていると多くの人がひどい状態の服を着ています。
僕ら、見ればわかるんですよ。
ああ、これ水で洗ったから風合いがおかしくなったな、とか縮みが入っているな、とか。
明らかな洗濯事故を起こしている服をそのまま着ている人が結構いる。
クリーニング屋さんはこれが言いたくて、不安ならとか洗えないものはクリーニングへ、と言ってきたわけですね。
だけど、これが間違いだったのは、消費者はおかしいと言うことがわからなかった。
どんな状態がおかしいのか?わからない人たちに曖昧な脅しをかけ続けてきたから信用まで無くしたわけですよね。
もう令和じゃないですか。
いい加減、消費者をネガティブな言葉で脅してクリーニングに出すように仕向けるってやめた方がいいと思うんですよね。
素直に言いましょうよ。
クリーニングの方がいいですよ、って。
きれいになりますよ!って。
クリーニング屋さんは知ってるじゃないですか、水で洗うことの大変さを。
水で洗うと生地は変化を起こす、それを元の状態に戻すのがどれだけ大変なことか、それを1番知っているのはクリーニング屋さんじゃないですか。
明らかにドライクリーニングで洗った方が状態良く着られる服が沢山あって、なぜそこに向かって、クリーニングの方が絶対いいですよ!と言わないの?
みんなが服の変化について知っていると思うのは大間違いです。
誰もが洗濯後の服の状態を判断できてると思ったら大間違いです。
クリーニング屋さん、はっきり言う自信がないんでしょう?
認めましょう、自信ないって。
それは、技術がないのではなく、自分たちがやっていることは消費者も同じようにできると思っているからじゃないんですか?
消費者がどんな洗濯をしているか?みんな知らないでしょう?
すすぎ、今三回してない人がかなりいるんですよ。
標準二回、下手すりゃ一回しかすすぎをしてない人がいるんです。
洗いの時に水が少なくて洗い上がった時に濡れない服があったりするの、ご存知ですか?
何でもかんでもネットに入れて洗って。
自分がこれはおしゃれ着だ、と思ったものは手洗いをするけど、どんなにいい服でも普段着だと思えば平気で洗濯機で洗ってしまう。
洗えてるよ、きれいになってるよ、と消費者はいうけど、本当に洗えているか?きれいになっているか?歩いている人たちの服装を見たら僕らならわかるでしょ?
その現実を見たら、堂々と言えると思うんですよ。
それ、クリーニングの方がいいですよ、と。
確かに洗濯機でも洗えないことはない、でもその服はクリーニングの方がいい、と言いましょうよ。
クリーニングをなぜ利用しないのか?と言うとすぐお金がないからファストファッションが流行っているからとか、もっともそうな話をしますが、違いますよ。
すでにクリーニングをする、と言う選択肢が消費者の中になくなっているんです。
それは、なぜクリーニングをしなきゃいけないのか、この服はクリーニングがいいのか?分からないんです。
そこに、洗剤のCM、洗濯機のCMでなんでも洗えるような気持ちになり、周りの人も自分で洗ってる、きれいになるよ、と言うからなんとなく自分も洗ってる。
そんな人がたくさん増えたからクリーニングの利用が減っているんです。
もうね、令和だから。
多くのクリーニング屋さんが思うような消費者はいませんよ。
ね。
ネガティブな情報で消費者をぶん殴ってこちらに向かせるのではなく。
これはクリーニングの方がいい!と選ばれるような情報を知ってもらって利用してもらいましょうよ。
クリーニングは消去法で利用されるものではないはず。
積極的に利用してもらえるようになりたいですね、僕は。
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