うちの店のなりたちは。
日曜に親戚のうちに行って、昔の話を聞いてきて、ふと思い出したんですね。
うちの店が今みたいになった理由を。
うちは50年ほど営業をしています。
初期の頃はその辺にある普通のクリーニング屋だったそうです。
それがなぜ、こだわったり徹底的に綺麗にしようとしたり、色合いを考えたクリーニングをしようとしたりしたのか。
これって普通のようで普通じゃないんですよね、
普通のクリーニングって汚れを落とすことがメインになるんです。
風合いを維持しようとか色合いをよくとか、そちらも考えはするんですがメインは汚れ落ちになりがちなんですね。
で、今のクリーニングになったきっかけ、それは兄の死だったんですね。
小学一年になってすぐに亡くなっているんですが、その当時の白血病はとても大変で。
国からの支援もないし治療法も確立しているわけではないし、不治の病だったわけです。
で、治療費、入院費は全て自腹なので一生懸命働いたと聞いています。
嘘が本当か、ビル一棟買えるくらい治療や入院費に注ぎ込んだとか。
それでも兄は亡くなってしまったわけですね。
そこからの話は母からや当時からのお客さんに聞いてたんです。
急に配達に来なくなって次に父が現れた時にはげっそりと痩せ細っていた、とか。
母もお客さんも同じ話をしてたんですよね。
これだけ頑張って稼いでも子どもの命一つ助けられないなんて。
これからは自分のしたいような仕事をしたい、と。
それが今のうちのクリーニングの基礎、綺麗にする、色合いも良く、風合いも良く、とこれらを目指すクリーニングになっていったわけです。
お客さんにもそういう風に伝えたらしいです。
一生懸命クリーニングをするので値段も上がってしまう事も話したとか。
お客さんの了解を得て、そこからクリーニングの研究に没頭したとも聞いています。
小さい頃、散々聞いてきた話なんですがすっかり忘れていて。
日曜に話を聞いて、色んなことが思い出されてきたんでしょうね。
うちの店の成り立ちまで思い出すとは。
初心にかえれ、ということなんですかね。
心入れ替えろとかかな?
何にせよ頑張れって兄に言われてるのかもしれないな。
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