出張授業で伝えた方がいいと思うこと。
全国各地でクリーニング屋さんが学校に出張授業をする事があります。
内容はだいたい決まっていて。
洗浄の仕組みから洗い方、シミの抜き方、そして実技、こんな感じなんですね。
で、皆さん学生なので普段から洗濯や染み抜きをしていないから、綺麗になるとものすごく喜ぶんですね。
クリーニング屋さんの側も、それを見てまた喜んで。
なかなかいい授業が全国各地で行われています。
クリーニング屋さんの目的は、綺麗になる体験をしてもらう事だと思うんですよね。
ただ洗濯機に任せているだけでは綺麗にならず、皆さんどこか諦めているのではないかと感じる事がよくあります。
そこに、クリーニング屋さんが正しいやり方を教えて実際に綺麗になるところを見せる事でクリーニングの利用の促進を狙っているんじゃないか、と思うんですよね。
しかし、ここでちょっと僕は思うんですね。
それって、クリーニングしても綺麗にならないから、クリーニングを利用しないって事?と。
何かを意図してやると言うことは、そこに反対のものがあるからなんですね。
汚れが落ちる体験をさせたい、と言うことは、普段は汚れを落としている体験がない、と言うこと。
さらにそこにクリーニングの利用の促進を狙っているのだとしたら、クリーニングは汚れが落ちてない、と思われている、と言うことになります。
去年からclubhouseでたくさんの人から話を聞いてきましたが、確かに一部ではクリーニングでいい思いをしなかった、と言うご意見もありましたが、クリーニングを利用しない理由はそこではなかったんですよね。
なんでクリーニングを利用しないか、なんで洗濯をするのか、その理由はクリーニングに向いている服と洗濯に向いている服の違いがわからなかったから。
これなんですよね。
この服はクリーニングの方がいいのか、洗濯の方がいいのか、わからない。
そのうちにCMなどで洗剤や洗濯機で汚れが落ちる、洗えると言われて自宅で洗えるんじゃないかと思い始める。
また、いろんなクリーニング屋さんが洗い方を教えている。
すると家庭でもクリーニングと同じ品質で洗えるような気がしてくる。
これなんですよねえ。
でね。
これがクリーニングの量が減った原因だとしたら、教えるのって服の見分け方なんじゃないか、と思うわけです。
ドライクリーニングの方がいい服。
水洗いの方がいい服。
あるんですよ。
で、僕らクリーニング屋さんも預かった服を見て、どちらで洗った方がいいか?選んでいるんです。
洗濯機でも洗える、ドライクリーニングもできる、お好きな方へ、ではないんですよね。
そもそも向いている洗い方があるんです。
で、向いているのはわかっているけど、どうしても家庭で洗いたい、と言われたら品質は落ちるけどこのやり方ならかろうじて洗えるよ、と言うのがクリーニング屋さんが教えている家庭での洗い方なんですよ。
けっして、おすすめの洗い方ではないんですよね。
で、こう考えるとですよ。
学校への出張授業ももう一つ付け加えてもいいんじゃないかなあ、と思ったりするんですよね。
汚れが落ちる体験。
これも必要。
そこに、適切な洗い方の選び方、つまり服の仕分け方を教えてあげる。
これも必要なんじゃないか、と思います。
今までは、洗い方を選ぶのはお客様、こちらが言うことではない、と思っていましたが、それは間違いなんじゃないかと思うんですね。
クリーニング屋さん並みに服のことを知っていて、洗い方をおおよそ知っていて、と言うなら好きに選んでいただいていいんですが、実際は服の子もあまりわからない、洗濯もよくわからない、と言った状況。
そこに、選んでください!と言うのって乱暴だと思うんですよね。
おすすめはなんですか?と聞かれて答えるのがプロじゃないか、と思うわけです。
すると、服のお手入れの最適解として、クリーニングした方がいいもの、家庭で洗えるもの、ここをきちんと伝えるのは僕らの役目なんだろうな、と思います。
もしクリーニング屋さんがこれを読んでて、学校とかに行って授業をする機会があったら、ぜひ話してもらいたいなあと思います。
効果、かなりあると思いますよ。
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