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職人の悪い所。

クリーニングって職人の仕事なんです。

と以前話した時に、クリーニングが職人の仕事だと思わなかった、と言われた事がありました。



洗濯やクリーニング、いわゆる服を洗うということにそこまで技術があったり、知識があったりというふうに思わないんでしょうね。

そして、長い年月をかけて取得していった技術があるので思わないのかも。


テレビを見ても広告を見ても、洗濯はみんな簡単に済ませられるような感じでやってますし。

まあ、なんでもそうなんでしょうが、突き詰めていけば職人の仕事にたどり着くんだろうなあ、と思います。



職人というとどんなイメージですかね?

こだわる、丁寧、深い知識がある。

そんな感じでしょうか?

黙々と、一つのことを深く、他に目もくれず、そんな感じ?


そういう一面もあると思うんですよね。

一つのことを深く深く考えていかないと辿り着かないものでもありますし。

職人、いいイメージですかね。



でも職人っていいものばかりでもないんですよ。

職人であるが故に悪い面もあったりして。

いい面と悪い面というのは表裏一体です。

どちらかが強く出れば良くも悪くもなります。



クリーニングの職人で言うと、孤独なんですよね。

これと言った正解があるわけではないので、常に不安が付きまといます。

ある程度の正解はあるんですがそれは絶対ではない。

例えば、あるお客さんからしたら絶賛するような仕上がりでも、あるお客さんには不満のある仕上がりとか。

綺麗、汚れが残っていると言う話ではなく、肌触りとか風合いとか人の感覚に委ねられる物なので意見が分かれてしまうんですね。


不安でいると仕事できなくなるでしょう?

するとどうなるか?と言うと、自分に自信を持とうとするんですよね。

技術をさらに研鑽して自身に変えたり、知識を増やして自信に変えたり。

揺らぎない物を自分の中につくろうとするんです。

まさに職人的。


これが自分の中だけで収まっているといい職人。

でも、これを他の職人にまで求めようとすると悪い職人に変わるわけですね。


これ、職人あるあるなんです。

人の仕事を評価できない、貶してしまう、そんな職人、たくさんいるんですよ。


認められないと言うのもあるし、人を貶す事で自分の位置を高められると思ってる人もいます。

いくらいい技術を持っていても、心が不安定だとやりがちなんです。

それだけ不安、孤独という話でもあるんですけどね。



本当にいい職人になると。



人のことを貶さなくなるんです。

なぜなら、求めるものは自分の中にあるから。

周りの人がどうとかは別の話で、突き詰めるのもは自分の中で周りに求めても解決しないのを知っているからなんですよね。

また、みんなが悩んでいることを知っているのでむやみに人のことを責めない。

ともすればその人の助けになるようなアドバイスをくれたりする。


そんな職人は本当に限られますけどね。

でも、これはどの職業にも言えることではないですかね?

半端なやつほど自信満々だし、誇張して話したがる。

できる人ほどあまり表に出てきません。


これ、求めているものの品質が高いからだと思うんですよね。


まだまだ、もうすこし、もっとよく。


そう思うほど自分はできる、なんて思えませんから。

そして、人の事を批判もしないし。


そんな風になりたい、と思いながら道は遠いなあ、と思います。

聖人君子になればいいのかにあ。

遠過ぎるなあ。

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