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お手軽な情報に騙されないように!

お手軽な洗濯の情報が相変わらず出回ります。

先日もNHKでプチクリーニングなるものが紹介されていました。



簡単にいうと、汚れの溜まったところ、襟や袖口、肘などを洗剤液で部分的に汚れを取りましょう、というお話。

アウターの取り扱い方を説明していました。


洗濯絵表示を確認し、洗剤をお湯に溶かし、それをタオルに染み込ませて絞り、汚れたところを拭いていく。



一見、正しい情報のように見えるんです。

やり方としては正しい、と言えなくもない。


でも、あえて僕はこれはやめた方がいいよなあ、と言いたい。


なぜなら、部分的に汚れてるってありえないから。



例えば、食べこぼしをした、とかならまだわかるんですよ。

でも、着用をしていて次第に溜まっていったような汚れなわけですよね、襟とか袖口とか肘なんて。

そこだけ汚れが溜まるわけないんです。


つまり、全体が汚れている、と考えるのが普通なんですよ。

その上で、襟や肘や袖口は頻繁に擦れるから周りよりも汚れが目立つ、という話で。


でね、このプチクリーニングですが、これをやるとどうなるか?



そこだけ綺麗になって逆にシミに見えるようになることがあるんです。



シミに見えるって汚れの境界線が見えるってことですから、一部分が綺麗になると境界線が見えるようになります。

つまり、部分的に洗浄をしたら、その周りは汚れているわけで、時に見えちゃう、というわけ。


そもそもある程度の期間着用して汚れたものは全体的な洗浄をしなきゃダメなんです。

そんな部分的な、プチクリーニングと呼ぶもので綺麗になると思ったら大間違いですね。



こういう情報を目にするたびに、ものすごく残念な気持ちになるわけです。

だって、洗濯を研究して20年とかいう人がこのレベルの話をするんですよ?

そんなに長い年月をかけてまだその程度の認識なのか?と思うとため息しか出てきません。


服が汚れるとはどういう事か。

洗うとはどういう事か。

全然理解してない証拠なんです。



こんな風にかいつまんで、お手軽な情報を流してそれでいい風になるなら文句は言いません。

でも、これは断言できるレベルで、輪じみができる。


実際そういう話はたくさん見るんです。



ファブリーズをかけたらシミになったとか。

これ、ファブリーズが汚したんじゃなくて、すでに全体が汚れてて、ファブリーズをかけたことで汚れが移動してキワが出来たって話なんですよ。

だから、ファブリーズが悪いんではなくてその服はそもそも洗わなきゃいけない服って話なんです。


こういう話をたくさん聞いているので、部分的な洗浄を教えるのって不親切だよなあ、無責任だよなあって思います。


少なくとも洗濯の研究を何十年もしているプロを名乗るなら、本当に見た人たちに有益となる話をしなきゃ。


もし、洗濯王子がこんな話をしてたら即電話して文句言ってると思いますよ。

お前、なに適当な話をしてるんだ?って。

洗濯王子はこんな話はしませんけどね。



今、本当に正しい洗濯の話、服の扱いの話をしてる人はいるのかなあ?

部分的にはあってるけど、服の着用からの流れ、全体的な流れを見て適切な話をしている人は洗濯王子くらいかも知れない。

お手入れが主になることはありませんが、生活を大事にしたいなら避けては取れないと思います。


情報の取捨選択は慎重に。

お手軽な情報に騙されないでくださいね。

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