豊かになるという事を考えるようになってきました。
歳を重ねたということもありますが、便利になっているはずのものがちゃんと出来てない、とわかってしまってからなんとなくモヤモヤしています。
洗濯機なんてまさにそれで。
全自動と名前がついていながら、毎年新しい洗濯機が販売されていながら、洗濯ひとつまともにできていない。
僕もちょっと前までは洗濯機も進化してる、洗剤も進化していると思っていました。
それは、基本的なものは当たり前にやっていて、その上で省くものを省き、自動でやり、手間も減りながら洗濯できるようになっていると思ってたからです。
しかし現実は、まともに洗えていない。
これ、洗濯機を製造販売しているメーカーはわかっていると思うんですよね。
洗えてないって。
極度に節水をして、その中でなんとかしようとするから落ちなくなる。
でも、宣伝ではきれいになります!と言い切るわけです。
消費者の要望に応えていると言えば聞こえはいいです。
水道代が高いから節水にして欲しい、それを叶えて結果洗えてない洗濯機を作ってしまったわけです。
消費者が望んでいるのは節水ではなく、汚れがきちんと落ちた上でさらに節水にして欲しい、であってとにかく節水ではないんですよ。
洗剤メーカーも洗濯の基本は知ってますよね?
知っていたらあんなに柔軟剤を売る必要もないし、酸素系の漂白剤があんなに売れているのもおかしいと気づいているはずです。
オキシ漬け、と巷ではよく言われますが、洗う前にするものでもないことは知っているはず。
なぜ洗う前に漂白をするのか?おかしいと思っているはずです。
さらに、色んなところで匂いで誤魔化して。
洗剤も微量ながら香料を混ぜています。
またオキシクリーンにも香料が入っています。
そのため、実際に汚れが落ちていなくても、その匂いできれいになったと錯覚をしてしまっている。
今の技術力なら本当に進化した洗濯機や洗剤を作れるはずなのに。
なんでこんなおかしなものを毎年作っているんだろう?と不思議に思うわけです。
目の前の水道代も大事なんだけど、それよりも今ある服を衛生的に、色良く、風合いもよく、長く着られることの方が大事だと思うのですよ。
洗濯やクリーニングはその為にあって、いい状態で長く着用できる事が体にも環境にもいいと言う事はわかりきっているはずです。
目の前の水道代を削る為に、汚れを落とし切れず、だんだん黒くなっていき、臭いも出て、洗剤で取り返そうと化学薬品を毎回使いまくる。
それでもきれいにならなくて香料を大量につけて誤魔化したせいで、その匂いで苦しむ人が出てきてしまっている。
さらに、洗ってもきれいになってないから毎日頻繁に洗濯をする。
その結果がたくさん水を使っているわけで。
洗濯機もスタイリッシュになりカッコよくなり、洗剤も高機能できれいになりそうなパッケージになり。
明らかに昔に比べたら豊かになっているような錯覚をしてしまいますが。
みんな騙されているんじゃない?と思ってしまいますよね。
長い事、きれいになった体験をしていないから、汚れているのもわからない人もいるし、シワがついているのもわからないし、洗濯や汚れると言うことをイメージ出来ない人もいます。
ここまで何もわからない状態になっているのを見ると、退化していってるんじゃない?と思えなくもない。
本当にまずいと思いますよ。
豊かって便利さではないと思うんですよね。
手間も掛からず、何も知らなくても、簡単にできる事がいいことではなくて、そんな簡単になるってことは何かが抜かれていると言う事。
手抜きをしていると言う事なんですよ。
今の状態が豊かなのか?考えたらわかります。
今、仲間のクリーニング屋さんたちと洗濯講座をしています。
オンラインでやったり、現地に行ったり、色んなところでやっていますが、洗濯講座をやっているとみんな選択ができてなくて逆に不幸なんじゃない?なんて思うんですよね。
洗濯なんて生活の中の一部のことなんですが、これが普通にできてないと言うだけで、豊かな生活とはかけ離れていくなあ、と思います。
幸いにも、洗濯は機械がちゃんとしてなくても、洗剤が怪しくても、洗濯のやり方を学んでいればなんとかなります。
これからも洗濯講座は各地でやっていきますが、正しい洗濯が広まって本当の豊かさの一助になればいいなあと思います。
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