洗濯できるの間違い。
冬物の服の宣伝を多く見かけるようになりました。
まだ全然冬物を考えるような気温でもないですが、おそらくどこかで一気に寒くなるはず。
新しく冬物を買っておくなら今ですからね。
そんな中、ここ数年気になっていることがあるんですよね。
それは、洗濯できます、と言うフレーズ。
冬物ですからアウターが多いんですが、それが家でも洗えます、洗濯できます、と言うんですね。
で、わざわざクリーニングに出しに行かなくてもいい、自宅でさっと洗ってきれいになる、と。
この辺の話を聞いていると、洗うと言うことがバグっているよなあと思うんですよね。
とりあえず、クリーニング代がかからないとか出しに行く手間がかからないはずひとまず置いておきます。
ここにも一言言いたいですが、その前に考えることがあるから。
アウターを自宅で洗えますと宣伝するのは衛生的にきられる、と言う意味も込めてあると思うんですよね。
襟や袖とか汚れてくるのでさっと家で洗っていつもきれいに着ていたい、と。
だから、ポリエステルなどの素材で洗えるように作ってありますと言うんですけどね。
まず一つ、それ、本当にきれいになるの?なんですよね。
30年ほどクリーニング屋をやってきた経験の中で、アウターを家庭で洗っている人で綺麗な状態で着ている人を見た事ありません。
本人はきれいなつもりなのかもしれませんが全体的にうっすらと汚れていることの方が多いです。
そのため、襟や袖口の汚れが見えにくくなるんですよね。
なぜこんなことが起きるのか?と言うと内側に着る服とアウターでは汚れの質が違うからなんです。
アウターの汚れを洗濯で落とそうとすると結構厄介なんですよ。
大抵落ちきれなくて、汚れが蓄積していく。
洗えるのと汚れが落ちるのは別の話なので、洗えるように作りました、ってのはきれいにできると言うのとイコールではないんです。
まあ、服を作る人たちが洗うことまで知っていたらこんな事はしないんですけどね。
もう一つ、なぜそんなに頻繁に洗いたがるの?と思うんですよね。
洗濯できるように作られてる、襟や袖が汚れたらさっと洗えるって、かなりの頻度で洗いますよね?
スーツにもウォッシャブルがありますが、そんなに頻繁に洗うのを推奨していません。
となると、なんのためのウォッシャブル?というふうにも思えてきます。
汚れが落ちないから頻繁に洗わないといけないと思っているのかな???
服の汚れの問題を洗いだけで解決しちゃダメなんですよ。
本来アウターも種類と着数を多く持たなきゃいけなくて。
1着をずっと着てちゃいけないんですね。
アパレルさんはその辺ももっと消費者に伝えた方がいいと思うんですよね。
洗える服を作るよりも、服の着方を教える。
そこが足りてないから洗濯でなんとかしようとしちゃうんだと思います。
洗濯できるからいいのではなく、洗濯もできてドライクリーニングもできるものが一番いいわけで。
なぜなら、洗い方の違いは落とせる汚れの違いだから。
洗えるから洗濯できる方がいいや、ってのは大間違いです。
この辺の話、洗濯講座で話していますが、聞くと皆さん色々気づいて驚かれます。
そして、洗濯とドライクリーニング、両方必要だな、となるんです。
みなさん、洗濯できればいいって間違いですよ。
その認識、変えませんか?
東京都府中市住吉町2-17-13
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コメント
趣味で洋服作りをしている者です。
人に頼まれて洋服を作ったのですが、生地の正しいお手入れ方法を知りたくて調べていたら、こちらのブログに辿り付きました。
ポリエステル68%、ウール30%、ポリウレタン2%
若干の横ストレッチのあるサマーウール(婦人服地のJIS規格品でアパレル製品にも使われているそうです)で仕立てた洋服の洗濯方法について質問です。
生地購入時に、お手入れ方法を販売元へ問い合わせた所、「合成主体の生地なので、大きく取扱いを間違えなければスチームアイロン等で大きく縮む事は無いと思う。洗濯に関しては心配であればドライクリーニングが良いと思いますが、自己判断でお願いします」との回答でした。
念の為8cm四方のハギレに水を通してアイロンを当てたところ、縦方向で1mm、横方向で4mmの縮みがありましたので、縫製前に一晩水通しを行い、その後地直しをしてから仕立てました。
こちらのブログを読むまで、ウールが入った洋服はドライクリーニングが基本だと思っていたのですが、それだけでは落とせない汚れもあると知りませんでした。
上記のような生地組成の場合、洗濯も可能なのでしょうか?
また、2013年6月13日 (木)に投稿されている別の記事、
「ドライクリーニングが出来ない理由はなーんだ?」も読んだのですが、ポリウレタンはドライクリーニングには不向きの素材なんですね。
今回使用した生地には2%と僅かに入っていますが、お洗濯のプロの方からみて、どの程度の影響が考えられるか教えて頂けると嬉しいです。
投稿: | 2023年11月25日 (土) 14時27分
コメントありがとうございます。
詳しく説明をしたいと思いますので、一度ご連絡をください。
お電話で説明をしたほうがいいと思います。
お待ちしております。
>さん
>
>趣味で洋服作りをしている者です。
>人に頼まれて洋服を作ったのですが、生地の正しいお手入れ方法を知りたくて調べていたら、こちらのブログに辿り付きました。
>
>ポリエステル68%、ウール30%、ポリウレタン2%
>若干の横ストレッチのあるサマーウール(婦人服地のJIS規格品でアパレル製品にも使われているそうです)で仕立てた洋服の洗濯方法について質問です。
>
>生地購入時に、お手入れ方法を販売元へ問い合わせた所、「合成主体の生地なので、大きく取扱いを間違えなければスチームアイロン等で大きく縮む事は無いと思う。洗濯に関しては心配であればドライクリーニングが良いと思いますが、自己判断でお願いします」との回答でした。
>
>念の為8cm四方のハギレに水を通してアイロンを当てたところ、縦方向で1mm、横方向で4mmの縮みがありましたので、縫製前に一晩水通しを行い、その後地直しをしてから仕立てました。
>
>こちらのブログを読むまで、ウールが入った洋服はドライクリーニングが基本だと思っていたのですが、それだけでは落とせない汚れもあると知りませんでした。
>
>上記のような生地組成の場合、洗濯も可能なのでしょうか?
>
>
>また、2013年6月13日 (木)に投稿されている別の記事、
>「ドライクリーニングが出来ない理由はなーんだ?」も読んだのですが、ポリウレタンはドライクリーニングには不向きの素材なんですね。
>今回使用した生地には2%と僅かに入っていますが、お洗濯のプロの方からみて、どの程度の影響が考えられるか教えて頂けると嬉しいです。
投稿: boribori | 2023年11月26日 (日) 20時05分