綺麗にするために大事な情報とは?
毎年、わーくわくすざかのイベントではしみ抜き体験とハンカチ作りをしています。
ガチャガチャを回すとシミのついたハンカチが一枚出てきて。
それをプロが使っている本物の染み抜きに使い、染み抜きをし、綺麗になったらステンシルで絵を描いて世界に一枚のハンカチを作ってもらう、と言うもの。
子供達がねえ、楽しそうにハンカチを作るんですよ。
その時に使っているのが絵の具とステンシル。
これがねえ、一度使うと大変なんですね。
ステンシルが絵の具で汚れてしまうので、次使うためにも絵の具を落とさなきゃいけない。
最初、キッチンペーパーとかで拭いてたんです。
しかし、絵の具ですから頑固でしてね。
かと言って、乾いてしまうから水に濡らしても取れない。
もう、必死になってクリーニング屋さんたちが拭いてるんですよ。
力技です。
今回、僕がその役目をしていました。
うーん、落ちねえなあ。
めんどくさいなあ。
クリーニング屋ですからね、手間のかかるようなやり方は間違っている時考えるわけです。
で、これを落とすならあれだな?と、まずは染み抜き機の油を落とす薬品を借りてやってみます。
格段に落ちやすくなった。
でも、染み抜きで使っているので借りるわけにはいかない。
次に思いついたのがアルコール。
ちょうど消毒用にアルコールを持ってきていたので、それを借りて落としてみます。
しかし、霧吹きがなく、無駄にダラダラと掛けることに。
勿体無いから、キッチンペーパーを湿らせて湿布みたいな形で使ってみました。
劇的に落ちる。(笑)
これだな、とそれからは消毒液を使って落としていきます。
しかし、どうにも無駄が多い。
これはスプレーを買ってくればいいかな?と思っていたら、お昼休憩の時にスプレータイプの消毒液を買ってきてくれて、惚れを噴霧して拭いたらあっという間に綺麗になっていったんです。
これで、これからこのイベントをやる時には楽ができるぞ、と。
ここまで読んでくれた方は、そうか、絵の具を落とすならアルコールか、と思ったと思います。
それ、ダメなんですよね。
えっ?でも落ちたんでしょう?
なら、それが絵の具を落とすやり方じゃないか!と。
これね、なぜ僕がアルコールを使ったかと言ったら、ステンシルなら平気だと思ったからなんですよね。
アルコールの影響を受けないので、純粋に汚れの落ちるやり方を模索していったんです。
しかしこれが服についたのなら、アルコールを使うかはわかりません。
なぜなら、絵の具が落ちても服に影響が出たら困るから。
ここがプロと素人の大きな違いなんですよ。
綿で白の服に絵の具がついたなら、アルコールを使うと思います。
これが、濃紺の服についたな、多分躊躇してると思う。
端っこでテストをして、確認してやったとしても擦らないとか色々制約をつけると思います。
こすってしまうと色が禿げることがあるので、絵の具が落ちるからとやっていいわけではないんですよね。
僕らクリーニング屋さんは当たり前に汚れの落ちるやり方の話をしますが、実はその会話は前提条件として洗う対象物、服がどんなものか?把握しているのが大事なです。
そこの情報がベースにあるから、やれる処理を選べるのであって。
絵の具だからこのやり方、ではなく、この服に絵の具がついたならこのやり方、なんです。
大きな違いでしょう?
皆さんがなぜうまくいかないのか?というと、汚れしか見ていないからなんですよ。
汚れが何の服についたのか?が大事でそれに合わせて落とし方は決まってきます。
クリーニング屋さんはみんなこれを当たり前のようにやっています。
当たり前なので、服の情報は誰も口にしません。
ここで消費者に誤解を与えちゃうんですよね。
ちなみに、わーくわくすざかでは、僕らの間でも軽く揉めてるんですよ。
ステンシルに影響が出ているんじゃないか?と言う人と影響は出てないと言う人と。
結果、大丈夫だと言うことでその場は話がまとまりました。
僕らは洗濯講座をしていて、汚ればかり見ないで服のことも考えるようにしましょう、と話しています。
それはまさにこの事。
汚れを落としたいなら、何についているか?をよく見ないとダメですよ、と言う事です。
落とし方だけ説明している人がいたら、その人は信用してはいけません。
嘘はついていませんが、条件によってはかなり危なくなります。
洗濯で綺麗に洗いたいなら、大事なのは服の情報です。
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