服を着る理由、クリーニングする理由。
最近夜になるとclubhouseのアパレル関係者の部屋に入って話を聞いています。
同じ服を扱う仕事をしていますが、デザインしたり作ったり、販売したりするアパレルとメンテナンスをする僕らクリーニング屋さんでは相当な隔たりがありまして。
アパレルはこんな業界だ、みたいなのは昔から色々かあるのですが、生の声を聞いてみたくてほぼ毎晩話を聞きに行ってるんです。
いやー、新鮮ですよね。
アパレルの悩みをたくさん聞いていると、大変だなあ、と思うし、作る側、売る側の心理や考え方が実によくわかる。
驚くような話も聞けますし、見てる角度の違いが僕らとの大きな違いだな、と気づく事もあったり。
アパレルへの見方が確実に変わってきています。
アパレルの人たちは本当にファッションが好きなんですよね。
そして、各々好きなスタイル、デザインを自分の中に持っています。
面白いのはお互いのそういう違いを見事の尊重している、という事。
これがオシャレなんだ!みたいな事はしません。
この辺はクリーニング屋さんの方が頑固かも知れませんね。
これが正しいスタイルだ!みたいな話をするクリーニング屋さんは割といます。
ファッションを勉強している人に多いんですけどね。
アパレルの人たちの話を聞いていると、そこまで絶対のものでもないんだなあ、と思えてきます。
アパレルの方が感性でものを見ている印象、クリーニング屋さんは知識で見ている印象です。
そこでひとつ気づいたことがありまして。
アパレルのファッションが好きな人たちがなんで服を着るのか?
今回それが分かったんですよね。
自分の気分が上がるから着るんです。
自分の好みの服、おしゃれな服を着る事で、自分の気持ちが上がる、高揚するっていうんですね。
だから、このコロナ禍でも、自宅でもおしゃれをするし、近くのコンビニに行く時もおしゃれをする。
なぜなら、自分の気持ちが上がって幸せを感じるから。
実に面白い話だなあ、と思いました。
服を着る事で気分が上がる、これってすごいと思うんですよね。
コロナで服が売れなくて、アパレルは売り上げを落としています。
僕もお客さんに話を聞くと、人に会わないし、家の近くしか出ないから外行きの服は着ない、と何度と言われました。
今回のコロナで僕は、服は人と会うために着ているんだなあ、と思ったんですね。
多くの人がそう話していたから。
人と会わなくなったら服は着なくなるんじゃないのか、そう思っていました。
ところが、服を着る事で気分が上がる人たちがいる、という事を知って見方が変わったんですよね。
服って面白くて、いろんな側面があります。
人に見られたときに恥ずかしくないように着る人もいます。
おしゃれが好きで着る人もいますよね。
この二つ、相反するものだと思うんだけど、実はみんなの中に両方ともあると思うんですよね。
周りに配慮してきている人も、やはり気に入った服を着るのは嬉しいし、自分の気に入った服を着る人たちも褒められると嬉しかったりする。
で、この話を聞いてて思い出したんですよね。
クリーニングをした服を着ると気分が上がる人達がいるってことに。
晴々とするんですよ、クリーニングをした服を着る時って。
よごれていると恥ずかしく感じたりするのが、クリーニングで綺麗になると恥ずかしさもなくなり、自信を持てるようになる。
おしゃれをする人と同じ感覚なのかなあ、と思います。
面白いな、ここでおしゃれとクリーニングが繋がるなんて。
根っこは同じ感覚なのかも知れません。
クリーニングしたら気分が上がる、多くの人にこう言ってもらいたいな。
そうなるように頑張らなきゃ。
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