クリーニング

服を着る理由、クリーニングする理由。

最近夜になるとclubhouseのアパレル関係者の部屋に入って話を聞いています。

同じ服を扱う仕事をしていますが、デザインしたり作ったり、販売したりするアパレルとメンテナンスをする僕らクリーニング屋さんでは相当な隔たりがありまして。


アパレルはこんな業界だ、みたいなのは昔から色々かあるのですが、生の声を聞いてみたくてほぼ毎晩話を聞きに行ってるんです。


いやー、新鮮ですよね。

アパレルの悩みをたくさん聞いていると、大変だなあ、と思うし、作る側、売る側の心理や考え方が実によくわかる。

驚くような話も聞けますし、見てる角度の違いが僕らとの大きな違いだな、と気づく事もあったり。


アパレルへの見方が確実に変わってきています。


アパレルの人たちは本当にファッションが好きなんですよね。

そして、各々好きなスタイル、デザインを自分の中に持っています。

面白いのはお互いのそういう違いを見事の尊重している、という事。


これがオシャレなんだ!みたいな事はしません。

この辺はクリーニング屋さんの方が頑固かも知れませんね。


これが正しいスタイルだ!みたいな話をするクリーニング屋さんは割といます。

ファッションを勉強している人に多いんですけどね。

アパレルの人たちの話を聞いていると、そこまで絶対のものでもないんだなあ、と思えてきます。

アパレルの方が感性でものを見ている印象、クリーニング屋さんは知識で見ている印象です。



そこでひとつ気づいたことがありまして。


アパレルのファッションが好きな人たちがなんで服を着るのか?

今回それが分かったんですよね。



自分の気分が上がるから着るんです。



自分の好みの服、おしゃれな服を着る事で、自分の気持ちが上がる、高揚するっていうんですね。

だから、このコロナ禍でも、自宅でもおしゃれをするし、近くのコンビニに行く時もおしゃれをする。

なぜなら、自分の気持ちが上がって幸せを感じるから。


実に面白い話だなあ、と思いました。


服を着る事で気分が上がる、これってすごいと思うんですよね。

コロナで服が売れなくて、アパレルは売り上げを落としています。

僕もお客さんに話を聞くと、人に会わないし、家の近くしか出ないから外行きの服は着ない、と何度と言われました。


今回のコロナで僕は、服は人と会うために着ているんだなあ、と思ったんですね。

多くの人がそう話していたから。


人と会わなくなったら服は着なくなるんじゃないのか、そう思っていました。


ところが、服を着る事で気分が上がる人たちがいる、という事を知って見方が変わったんですよね。


服って面白くて、いろんな側面があります。

 

人に見られたときに恥ずかしくないように着る人もいます。

おしゃれが好きで着る人もいますよね。


この二つ、相反するものだと思うんだけど、実はみんなの中に両方ともあると思うんですよね。


周りに配慮してきている人も、やはり気に入った服を着るのは嬉しいし、自分の気に入った服を着る人たちも褒められると嬉しかったりする。


で、この話を聞いてて思い出したんですよね。



クリーニングをした服を着ると気分が上がる人達がいるってことに。

晴々とするんですよ、クリーニングをした服を着る時って。


よごれていると恥ずかしく感じたりするのが、クリーニングで綺麗になると恥ずかしさもなくなり、自信を持てるようになる。


おしゃれをする人と同じ感覚なのかなあ、と思います。


面白いな、ここでおしゃれとクリーニングが繋がるなんて。

根っこは同じ感覚なのかも知れません。



クリーニングしたら気分が上がる、多くの人にこう言ってもらいたいな。

そうなるように頑張らなきゃ。

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今日の最後は制服の仕上げでした。

今日の最後の仕上げは子どもの制服でした。



明日、高校受験らしく。

何も出来ませんが、せめてもと制服とワイシャツのクリーニングをしてあげたんですね。


ワイシャツはいつもクリーニングをしていますが。

制服はワイシャツほどクリーニングしていません。


洗ってアイロンを掛けると、制服が見違えます。

普通のうちよりは洗う機会は多いと思うのですが、それでもこうして仕上げをすると見違える。


つくづく、制服ってすごいよなあ、と思うんですよね。



仕上げてて感じるんですよ、しっかりした作りをしているな、と。

洗って乾燥した時点で、体の形になっている。

スーツだといいスーツになればなるほど糸が細くなり柔らかくなるので形を維持しづらくなります。

制服ってしっかり縫製されているから形を維持するんですよね。


残った荒じわをとって、整形をしてあげると、まあカッコよくなるんですよ。


これが受験に影響があるのか?はわかりませんけどね。

でも、格好良く送り出してあげたいじゃないですか。


これくらいしか出来ませんし。

頑張るのは本人ですしね。


受験は3人目ですけど、やはり慣れませんねえ。

自分が受験する方が絶対楽。(笑)

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サステナブルな世の中にするには?

サステナブルの話です。

アパレルが今後、トレンドになる、注目されると思っているサステナブル。

持続可能な、自然環境に配慮した、働いてる人たちが持続的に仕事ができる、そんな世界を目指すという話です。


昨日も書きましたが、アパレルはこのサステナブルに注目をしています。

しかし、どうしていいか?迷っているのも事実。


本気でサステナブルを目指すと、お金が掛かる。

再生可能な素材を使うだけではダメで、その素材が取れている地域に行き働いている人たちにきちんと給料が払われているか?調べなきゃいけないし、製造時の温室効果ガスを調べたり、色々やらなければいけないことがある。

どこまでやるかに寄って変わってくるけど、実際今それが出来るのは超大手のメーカーさんくらいじゃないか、という話もされていました。


一社がやるとなるとそうなっちゃうでしょうね。

でも、日本のアパレルは分業制ですからね。

各々が自分の範囲で調べるだけでもかなりサステナブルな世界に近づくと思いますが。



先日、clubhouseのアパレルの部屋の話を聞いていて、ちょっと違和感を感じたんですよね。

サステナブルの話をしているんですが、なぜか?長持ちする衣類の話にはならないんです。


再生可能な繊維を使うとかそんな話ばかり。

後半、ほんの少しだけ衣類の長持ちの話になったんですけど、それも少し違って。

この違和感はなんだろうなあ?と考えていました。



あー、そもそも服が長持ちする、という発想がないんだな、と気付きまして。

頭の中から服が長持ちをする、という考えが全くないんですよね。

だから、再生する、という発想になるんです。


服を使い切る、という発想にはならないんですね。


気になったのでそこの部屋で少し話をしてみました。

クリーニング屋の立場から見てきた意見ですが、と。



長持ちする服ができるとお客さんは服を買う様になる、というお話。



服が売れない理由の中で、そもそも服が長持ちしないから買わない、というものがある。

どうせ一年しか持たないから、安い服でいいや、という人をかなり見てきている。

クリーニングで再生をすることを知って、それからいい服を買う回数が増えてる人もかなりいる。


こんな話をしました。

服を売る話に絡めて、長持ちをさせることが大事なのではないか?洗ってまた着ることができる服を作る必要があるのではないか?というお話をしたんですね。


でも、やはりピンときてないらしくて。

そうは言ってもなあ、物だからいつかダメになるのは避けられないし、という様な感じ。

確かにそうなんだけど、でも一年しか持たないのか、五年持つのかでは全然意味合いは変わってきます。


そこで昔はこんなふうにみんな服を着て着回してたんですよ、とさらに話したんですよね。


するとこんなふうに言われて。



昔は今みたいに趣味の幅も広くないから、服くらいしかお金使うところなかったんだよ、と。



そんなバカな話があるか、と思ったけど、知らないんだから仕方ない。

ほんの30年ほど前の世界はモノクロでもないし、今とたいして変わっていません。

でも、それを知らない世代がもう中心となって仕事をしているから分からないのは仕方がないんだろうなあ、と思います。


今、中心で仕事をしている人たちはすでに服が安くなってる時代を過ごしてきた人たちですからね。


昔、まがい物のTシャツですら六千円もして、どの服も今と比べて普通に高かった時代から、価格破壊という言葉がいろんなものの値段を壊していって、品質も低下していった、という事を知るはずがないんです。


別に昔はお金があったわけでもなくね。

他に投資する様なものがなかったから服を買ってたわけでもなくてね。


その時代の価値観が、その値段の服を普通に買い、着数も今の数倍持たせたんです。

高いからこそ、大事に使っていた、とも言えます。


昔だからとか古いからとか、そんな事は関係ないんですよね。

サステナブルをかんがえるとどうしても今の服の値段が問題になってきます。

そこから目を逸らしているうちは、サステナブルの世界は永久にやってこないでしょうね。


お金の使い方、服に対する価値観、メンテナンス性、いろんなものの考え方を根底から見直さないとサステナブルにはならないと思いますよ。

で、それは仕組みや考え方の問題なので、時代性というわけでもありません。


ね、コロナで一気に世の中の常識が変わったじゃないですか。

それと同じです。


本気で変えようと思うか、ですね。

適正な世の中になるために、もしかしたら昔のやり方を導入することも検討する価値はあると思いますけどね。


ここ最近、本当に思うんですよ。


歴史を学ぼう、過去を見直そう、と。

今が突然こうなったわけじゃなくて、必ず過去から繋がって今となってます。

世の中の流れの理由を知らないと、どんどん間違った方向に行っちゃいます。

でもね、若い人に言うだけではダメでね。

本当の問題は、若い子たちにちゃんと伝えてこなかった僕らやその上の世代が一番悪いんです。


継承できてない、って事ですから。

で、困っているのは今の若い子達。

今からでも遅くないので、僕らから上の世代は頑張らないといけないと思います。


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アパレルの話を聞く。

最近、よくclubhouseを聴いています。

よく聞くのはアパレルの人たちの話。

知っているようで実はあまりよく知らないアパレルの話が聴けるので、仕事しながらよく聞くようにしているんです。



何度か部屋に入って聞いていましたが、そこで分かったのはアパレルと言っても全然違うんだな、という事。

日本のアパレルは分業制なのでいろんな仕事に分かれているんですが、それがはっきりとわかってきたんです。



デザインをする人がいれば、製造をする人もいる。

その製造も服ならなんでも作るわけではなくて、シャツを作る人、スーツを仕立てる人、プリーツを主に加工する人、色々います。

また販売する人もいます。

さらに今は、その販売の手助けをするような仕事をしている人たちもいます。


アパレルと一括りで話してしまいがちですが、やっている事で考え方にも微妙な違いがあってとても興味深いです。



どうしても立場の違いから、クリーニング業の僕らはアパレルのことを少しやっかんだ形で見てしまいます。



売りたいからすぐ壊れるものを作るんだろう?とか。

でも、話を聞いているとそんな簡単な話でもないことがわかってきました。


分業制であるが故に、誰が主体的に作っているか?があまり明確じゃないんですよね。

自分たちの仕事として、発注をされるからやる、でも総合的な判断は自分ではつかない、こんな感じなんですよ。


そして、今一番気にしているのが、サステナブル。

持続可能な世界、というのがこれからのトレンドになる、と彼らはみているみたいです。


サステナブルというのは簡単ですが、あまりにも広義で難しすぎるからどうやればいいのか?今はまだ手をつけられるような状態でもなさそう。

でも、生地屋さんとかは、サステナブルな再生可能な生地ですよ、と売り込みに来るとか。


縫製屋さんはそれをみて、これが本当にサステナブルなのか?と疑問を持ちながらも、注文が入れば黙って作る、と話してました。


デザインをして発注している人も、そんなにはっきりとサステナブルな商品をお客さんから要求されたことはない、と言いながらも、でもみんなが話しているからこれからはサステナブルな商品に注目が集まるんじゃないか?と思ってる、とか。


なんだか、どれもこれも明確ではないんですよね。

なんとなく、空気感で、そうなるんじゃないか、というような感じで進んでいくんだなあ、と思いました。


僕らはその服をメンテナンスする立場なので、あまり曖昧にされると困ってしまうのですが。

でも、立場による考え方の違いがわかったのはとても大きな収穫でしたね。


これからアパレルと話すときに参考になると思います。


アパレルも危機感をかなり持ってますね。

それはクラブハウス内に部屋がいくつもできているのをみてもよくわかります。

飲食ばかり報道されていて、大変だ大変だ、飲食を助けよう!と言っていますが。

アパレルの倒産はかなり有るんですよ。

売れないんです、コロナ禍だと。


ネット販売をしたり色々工夫をされてますけどね。

やはり対面で売りたいから、これからどうなるのか?よく議論されています。


クリーニング屋さんの部屋はまだないな。(笑)

選択相談は見かけましたけど。

クリーニング屋さんで相談しよう、みたいな部屋がないってことはまた余裕があるのかなあ?

おかしいなあ、そんなはずはないのになあ。

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過去を知るのは大事ですよ。

気付かないうちによく使ってる言葉があります。



昔はね。



と言う切り出し方を最近よくするんです。

これがですねえ、まあ見事に反感を買うんですよね。(笑)


昔の話は知らねえ。

昔の話は関係ねえ。


そんなふうによく言われます。


いろんなところに顔を出すようになると自分が歳をとって年上という立場から話をしている事が増えたからなんでしょうね。



最近、特に昔の話や古い話をすると嫌がる人が増えたような気がするんですよね。


老害、景気の良い時の話、などなど昔の話をし出すとそんな感じに揶揄されます。



ボクも若い頃はそうだったからなあ、と若い時の自分を反省もするんですが、これを放置しておいたらみんなが損をすると思うので、それでもなんとか伝えようと頑張って話をしています。


昔って言ってもね、ほんの30年ほど前なんですよ。


ずいぶん前だな。(笑)


でも、ぼくらはその30年をいきてきたわけです。

歴史の話ではなくて、時の流れとともに過ごして見てきた事実なんですよね。


昔といっても、昭和以降なんて今とたいして変わりません。

ビルも建っていたし、コンピュータも仕事によっては導入されていたし、機械化されていたし。

テレビだって普通に放送されていたし、ビデオもあったしラジオもあった。

雑誌だって今と同じでカラーですしね。(笑)


別に世界が、モノクロなわけではなく、今と同じ世界があったわけです。


先日もとあるところで話をしていて、昔はこんなだったんだよね、と話したら案の定、昔の話をされても、と言われまして。

さらにこう言われたんですね。


昔はやる事ないからお金をそれにかけるしかなかった、と。


そんなわけないじゃない。(笑)

今みたいにネットとかはないけど、当時には当時の最先端があって、流行もあって、今みたいにみんな好きなものにお金を使っていました。


今と違うとしたら、そのものに対する価値観が変わった事。

ボクはその違いを伝えたかったんですけどね、昔というキーワードで毛嫌いされてしまいました。(笑)

もったいなかったな。


みんなね、歴史を軽く考えすぎなんですよ。

今が、突然今になって現れたわけではないですよね?

突然ネットが使えるようになって、テレビが現れて、パソコンが現れた、そんな事ないですよね?


今に至るまでに試行錯誤しながら進化してきたんですよ。

その中には、今に至る理由もある訳です。


これだけみんな気をつけながら生活しているのも、犯罪ですら時代とともに進化してきてしまったからですしね。


それこそ、昔は家の戸に鍵をかけないうちも結構ありましたし、セキュリティに関してゆるかったです。

テレビに素人が出ても、平気で住んでいるところ、会社の名前とか公開してましたし。

雑誌の裏に友達募集と電話番号や住所を載せてみたり。

今なら考えられないと思いますが、その当時はそれを載せていてもそれを使って犯罪をしようなんて奴がいなかったから載せてられたんですよ。


で、そう言うのを利用して犯罪が起きるようになってだんだんと無くすようになっていった、その結果が今のセキュリティへの関心の強さになっています。


過去を知るって大事だな、と最近よく思うよになりました。


なんでこうしなかったんだろう?と思う事がいろんなところで出てきます。

過去の人が気付かなかったわけはなくて、それをしない理由、しなくなった理由が必ずあります。


僕らの使っている洗剤だって、時代とともに変わってきてるんですよ。

それもただの進化、と言うものでもなく、時代に合わせて過去のものが流行ったりすることもあります。


新しいとか古いとか、あまり関係なくなってきました。

その時に必要な事があれば、何をしても良いんですから。


この話をしだすと思い出すのが、クリーニング屋さんにベルトコンベアーが導入されましてね。

当時、人ので使わなくても品物が移動できる、最新の設備だ、と言われていたんです。


ところが。


二十年ほど経ってからベルトコンベアーは撤去される事が増えてきました。

理由は品物の間隔が広いので吊れる服の数が少なくなるから。

それに別に人の手で動かしても大した労力ではないから。


機械化が全て良いわけではないって事ですね。

今に適切にあわしていくと、時にはアナログの方が早くで便利なことはたくさんあります。

古い、昔のこと、と切り捨てていると、大事なものを見落としてしまうと思いますよ。


なんで考えるのも年をとったからだな。

若い頃は自分の未来しか見てなかったけど、歳をとってから、過去に目を向けるようになり、先人たちのやってきた事がいかに凄かったか、わかるようになってきたからでしょうね。


今はこうして誰でもネットで交流をできるようになりました。

それなのに、古いから、昔の話だからと、切って捨てるのは本当にもったいない。

僕らがしてきた過ちを繰り返さなくていいです。

若い子たちは早く気付いでどんどん今をいい時代にしていってほしいと思います。

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服のセーフティネット。

クリーニングの業界紙が来ました。

まあ、予想はしていたんですが、やはり業界全体の売り上げが落ちてて。

 

僕がこの業界に入った頃からおよそ4分の1にまで減少したことになります。


コロナの一撃が入った、と言う事ではあるんですけどね。

飲食が時短営業になったり、自粛ムードになったり、会社がリモートになったり、いろんな影響からクリーニングの量が減っていっています。


でも、数字と僕らの体感とはかなり差があります。

もっとひどいイメージだったのに、結果は減りはしたけどそこまででは無い、といった感じ。

ここでは何度も書いていますけど、コロナの影響は全国平均的には起きてませんからね。


東京が感染者が一番多くて一番影響が出ています。

その周辺の神奈川、埼玉、千葉は、近いのに東京に比べたら感染者数が全然増えていませんでしたから、東京ほどひどくない。

地方に行くと、コロナなんて対岸の火事で、2日に生活をしていた、というはなしをきいたりしているので、均したらこのくらいなんだろうな、と思います。

つまり、ひどい所はとんでも無く酷くて、そうでもないところはあまり変わらない、と。


ちらほらとクリーニング屋さんも辞めていきます。



クリーニング屋さん、特にこじんてんがやめていくと実は大変なことになるんですが、あまりそれに気付いている人はいません。


クリーニング屋さん、特に個人のクリーニング屋さんはね、服のセーフティネットなんです。



服に対するトラブルをクリーニング屋さんが知らず知らずのうちに対処して、普通に着られるようにしてきていたんです。


もし、個人店のクリーニング屋さんがなくなったら、大変なことになりますよ。

これは決して脅しでもなんでもありません。


個人のクリーニング屋さんがなくなったらどうなるか?



アパレルにクレームがたくさん行くことになると思うんですよね。



洗ったらこうなった、おかしくなった、と。


表示通りに洗ったのにおかしくなった、他の服に色が移った、こんな話がたくさん行くと思うんですよね。



クリーニング屋さんに渡したら、受け取るまでどんなことが起きているか?知っている人はあまりいません。


僕ら個人店のクリーニング屋さんは、表示に書いてなくても、間違っていても、トラブルが起きなように経験から察知して、その服を洗うのに一番適した洗い方を選択して洗っています。


つまり、トラブルを未然に防いでいるんですよ。


クリーニング屋さんの間ではたまにやり取りされますが、こんなに色が出たよ、と言う一言とともに、漬け込みをしようと洗濯液に服をつけた写真がやってきたりします。


洗濯液がありえない色をしているんですよね。

真っ赤とか、真っ青とか。

服の色が溶け出しているんです。


特別なことをしているわけでもないんです、表示通りに洗おうと洗剤の溶けた水に漬けただけで、色が出る。


もし、これを大きな洗濯機の中で、他の服と一緒に入れていたら。



他の服がこの色に染まってしまうんです。

で、こう言うことは珍しい事ではないんですよね。

割と良くある話なんです。


僕らは危ないな、と事前に察知をして、他の服とは一緒に扱わずにその服単品で洗うようにして他の服に影響が出るのを避けています。


当たり前のようにやっているので、この事を誰にも話しませんし、特別な作業とも思っていないから、お客さんにも説明をしません。


ちょっとした事ですが、僕らのやっていることが、服をトラブルから未然に守り、普通に着るお手伝いをしているんですね。


服のセーフティネットというのはこう言う事。

僕らが最後の砦なわけですよ。


なんで個人のクリーニング屋さんに限定をしているか?というと、チェーン店ではアルバイトやパートさんばかりできちんとした資格者が作業をしてないケースが多々あるからなんです。


チェーン店でも資格者はいますが、作業をしている人は資格者でないことがほとんどです。

だから、気付かずにトラブルを起こしてしまうことがあるわけですね。


これは安さと引き換えにプロを使っていないのである意味仕方ない。

安心を買いたいならプロのいるお店に頼むしかないわけです。


コロナの影響で個人店の閉店も増えてきています。

服のセーフティネットが機能しなくなったら大変なことになるなあ、と個人的に危機感を感じています。


コロナが終息しても元に戻る保証はないですしね。

どうなる事やら。

クリーニング屋さん、個人店が残り、事業継承をしていかないと遅かれ早かれ技術がなくなってしまいますからね。

5年後、どうなっているかなあ。

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クリーニング業が大変、とニュースに出てますね。

クリーニングがニュースになることはほとんどありません。

年に数回、ニュース内の特集で染み抜きのお店が取り上げられるくらい。

生活に根ざしている割には良くも悪くもテレビに出ないのがクリーニング屋です。


そのクリーニング業が、先週から随分とテレビに出ていました。  



内容は、クリーニング業がかなり厳しい事になっている、というもの。



去年の10月にクリーニング店を解雇された職人さんの話や、沖縄のクリーニング屋さんの厳しいという話、都内のクリーニング屋さんのワイシャツやスーツが激減している、という話。


とにかく厳しいという話ばかりです。


前回の緊急事態宣言の時よりも早い段階でクリーニングに品物が集まらなくなりました。

あの頃は、リモートにしましょう、と言っても対応するまでに時間がかかっていましたから、なだらかに品物が減って行った感じでした。

しかし、今回はすでにリモートの対策もとられているので、スムーズに移行したんじゃないかと思うんですよね。

また一気に品物が減りましたからね。


世の中は飲食店を救おう、と誰もが言っていますが。

緊急事態宣言で困っているのは飲食ばかりではありません。

他の業種もみんなやられている。


時短営業をしていなくても、外に人が歩かなくなるから明けていても同じで。

協力金が出るわけでもなく、みんな疲弊して行っているのが現状です。


個人的には、ようやくテレビなどもクリーニング屋さんの大変さを報道してくれるようになったのか、という感じです。


緊急事態宣言が明けるまでもう少し、と言い聞かせてはいますが、果たして明けたからと言って元に戻るのか。

商売人はみんなそんな不安を抱えてますねえ。


今日来た業界紙にも、見た事ない数字が並んでいましたし。

僕がクリーニング屋さんになった頃の4分の一になっでしたよ、業界全体の売り上げが。


かなりびっくり。

20年かけて落ちてきたんですけどね、去年それからさらにガクン、と落ちた感じです。


うーん、辞めるところも出てくるだろうなあ。

クリーニング屋さん、大量閉店とかならなければいいんですが。

大丈夫かなあ?

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濯ぎは3回はして欲しいなあ。

最近、洗剤についてよく目にします。

みなさん、いろいろな洗剤を使っていて、評判の良いものを選んでいるようです。


選ぶときに1番気にしているのは、汚れ落ちのようで。

襟の汚れが落ちる、泥汚れが落ちる、黄色い汚れが落ちる、などなど頑固な汚れによく効く洗剤を探しているようです。


クリーニング屋さんなら分かると思いますが、これらの汚れを落とすのに、オールマイティな洗剤はありませんよね。


泥汚れを落とすには泥汚れに効く洗剤が必要で、襟の汚れを落とすには襟の汚れを落とす洗剤が必要で、黄色い汚れを落とすなら漂白剤が必要なわけです。


これらを上手に配合して、複数の汚れに対応した洗剤が販売されています。


みなさんの反応を見ていると、漂白剤配合、もしくは漂白剤そのものを高く評価している節があります。

みなさんが落ちないと言っている汚れが、実は漂白の必要なもの、ということの現れだと思います。



そして、汚れ落ちのいい洗剤の次に欲しているのが、濯ぎの回数の少ない洗剤。

これには少し驚きました。

まさか濯ぎの回数をそこまで気にしているとは思いもしなかったので。


これも最近のエコ意識の表れなんですかね?

僕らクリーニング屋さんは、洗いの基本ですすぎは3回、というをがあるので、一回濯ぎと言われると正直大丈夫かなあ?と不安になるんです。

きちんとすすげているのか?と不安になる。

もし、洗剤成分が残っていたら黄変などを起こしてしまうので。


一回濯ぎの洗剤を選んでいる人の話を見てみると、濯ぎの回数は地味に影響を与えると言います。


夜帰ってきて洗濯物を洗って、濯ぎが一回ならすぐ洗い終わるけど、2回だと時間がかかる、とか。

濯ぎが2回になると水道代が高くなる、とか。


濯ぎ一回のメリットを知ってしまうと戻れないのかもしれませんね。


クリーニング屋としては、やはり3回はして欲しいですが。


汚れの落ち方が違うんですよ。

洗剤も普通の洗剤にするとさらによく落ちる。

汚れ落ちって2つ並べて比較をしないから、どっちが本当に綺麗か?わからないんです。

洗ったから綺麗になってる、と思い込んでいる人は結構いらっしゃるかと。


洗うって、水を贅沢に使います。

海外の洗濯事情は本当に良くなくて、日本は水が良かったから綺麗に着ることができていたりします。


部屋干し臭がするとか、何となく黒ずんでいるとか。


それらも濯ぎの回数を増やすことで解決することが多いので、濯ぎは贅沢にして欲しいなあ、と思います。


探している洗剤から、色々読み取れるのが面白いですね。

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その変化は本当におかしくなっているのか?

自分で服を洗う人が増える一方、直してくれませんか?と言う問い合わせがクリーニング屋さんにはやって来ます。


洗ってみたはいいけど、おかしくなっちゃった、という問い合わせ、結構あるんです。



先日もニットのセーターを伸ばして欲しい、と言う問い合わせをいただきました。


ニットの縮みは正直みてみないと何ともいえないんです。

というのも、縮み方に種類があって、1番最悪な場合は2度と元には戻りません。


繊維同士が絡み合ってぎゅーっと縮んでしまうので、生地が硬くなり全然別物の服になってしまいます。

大人サイズが子供サイズに縮んだ、というのは大抵このケース。


この場合、サイズだけなら何とか戻すことが可能なんですが、生地の表面、風合い、柔らかさなどはもう元には戻りません。


今回いただいたお問い合わせのケースはそういう縮み方ではなかったので、直すことが可能でした。



さて、その時に少しお話をしたんですが、こう仰っていたんですね。



洗濯表示で洗濯機で洗えるとマークがついていてもダメなんですね、と。



うーん、新しい洗濯表示が付いている場合、洗えるとなっていたら洗えなきゃいけません。

洗える、という事は、洗っておかしくならない、という事。


縮まない、色が出ない、風合いが変わらない、など変化が起きないで洗えることを指すんです。


では、変化が起きたら不良品か?と言われると簡単にそうとも断定出来ません。


なぜなら、本当に変化が起きているのか?見てみないとわからないから。



例えば、よくあるケースですが、洗い上がりのシワクチャな状態を見て、縮んだ、と思い込んでしまうケースもあるんですね。

本当に縮んだなら問題ですが、脱水の時間の影響だったりしてシワがついた状態、というのもよくある話。

この場合は、アイロンで整形をすれば元に戻ります。

縮んだわけではなくて、シワがついているだけなら、製品に問題があるとはいえません。


このように、本当におかしくなったのか、気のせいだったのか、きちんと見極める必要があるんです。



特に最近は、製品が安定していることもあり、本当の不良品に出会うことが少なくなって来ました。

そのため、どうしても言葉だけで知ってる事象も多く、初めてみたものに対して、過剰に反応してしまうケースもあります。


簡単に言うと、見たことないから慌てちゃうんですよ。


もし自宅で洗ってみて、おかしいな?と思ったら。

一度クリーニング屋さんに相談に行ってみてください。


出来るなら個人で営業されているクリーニング屋さんがいいです。

受付だけのお店ではなく、工場併設のお店の方がいい。


なぜなら、そこには国家資格のクリーニング師を持ってる人がいるので。


表示がおかしいのか、普通のことなのか。

教えてくれると思います。

そして、その後どうすればいいのか?もアドバイスしてくれると思います。

ぜひぜひ、クリーニング屋さんに相談してみましょう。

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買う時に選ぶようにするのもありです。

服を買う時にいろんなことを考えながら買うと思います。



デザインやブランド、好みのものがありますよね。

また、体型をなるべく隠したいとか、格好良く見せたいとかもあると思います。

好きな素材もあるでしょう。


最近、いろんなところで聞くのが、自宅で洗える服を選んでいる、と言う話を聞きます。

自分で洗える、洗濯機で洗える、洗濯マークで手洗いのマークや洗濯機のマークが付いているものをなるべく選ぶようにしている、と言う方もいらっしゃいました。


クリーニングしなくていいものを探している、そうおっしゃる方も結構いらっしゃいます。


クリーニングをしたくない理由にもいろいろあると思うんですね。

単純にクリーニング代の節約を考えている方もいると思います。

また、クリーニングに出して戻ってくる時間が待てない、と言う方もいると思うんです。


今、ミニマリストと言って、最低限のもので生活をしていく、と言う人たちがいて、服も数着を着回して生活をしている方々もいらっしゃいます。


そう言う人たちの生活サイクルですと、クリーニングに出す時間が取れないんですよね。


朝出して夕方に仕上がるクリーニング屋さんもありますが、普通は数日はクリーニングの仕上がりまでかかります。

数着しか服を持っていないとその時間は取れないですから、必然的に自分で洗えるものを選ぶ必要があるんでしょうね。



服を買うときにいろんな理由を考えると思うのですが、メンテナンスのしやすさ、と考えてみてもいいと思うんです。


先日もとある所で毛玉のできない洗濯方法を教えて欲しい、という質問を見かけまして。

毛玉が気になるその気持ち、よく分かるんですよ。


で、確かに洗濯で毛玉が出来ないようにするやり方もあるんです。

洗濯への質問だから洗濯でどうにかならないか?と考えるのは普通のことなんですが、ちょっと考え直してみてもいいかな、と思うんですよね。


もっと根本的な事、そもそも毛玉の出来にくい服を選ぶ、と言うのもありなのではないか、と。



何でもかんでも毛玉ができるわけではないんです。

やはり、毛玉の出来やすい服というものがあります。


服は着用で擦れるので、どうしても表面の生地が擦れて毛羽立っていきます。

それが絡まってたまになると毛玉になる、と言う仕組み。


でも、毛玉にならない服もありますよね?


それは毛玉になる前にちぎれて落ちてしまうから毛玉にならないんです。


つまり、毛玉ができると言うことは、千切れないで毛玉になっても残るだけの強度がその糸にある、と言う風に解釈できます。



1番わかりやすいのは、フリースです。


あれ、小さな毛玉がすぐ出来ますよね。

なんで出来るのか?と言ったら、フリースの素材のポリエステルはとても強い繊維だから。


ポリエチレンテレフタレート、通称PETです。

そう、ペットボトルのあのPETです。

何年か前に、ペットボトルから服を作ろう、みたいなニュースを聞いたことあるのではないでしょうか?

同じ素材だから作れるわけですね。


元々が強い繊維なので、毛玉になって重くなっても千切れないで残ってしまう。


ウールのセーターとかでも、ふんわりしたものほど毛玉ができると思います。

あれも、ふんわりさせるために糸をあまり強く捻らないので、擦れに弱くなり、毛羽が起きやすくて毛玉になりやすい。


きちんと理由があるんですね。



毛玉が出来て嫌だなあ、と思う服があったら、今後のためにぜひ素材表示を確認してみましょう。


複数の素材が混ざっていると強度にばらつきが出るので毛玉が出来やすくなります。

100%ものの方が出来にくいものが多いですね。

あと、ポリエステルなどの合成繊維はそもそもが強いので100%でも毛玉が出来てしまいます。


まずはこの辺を注意しながら服を選んでみてはいかがでしょうか?

時には思ってたのと違って毛玉が出来てしまう服もあるかもしれません。


最後は経験しかないんですよ。

選ぶ時に自分で考えて選んだものですから、仮に毛玉が出来てしまった時も、この服は出来やすいんだな、と情報として蓄積されていきます。


すぐ見極められるようになりますよ。

不思議なもので、そのうち何となく分かるようになります。


ぜひ、次の服を買う時には、そう言う視点で服を選んでみてください。

クリーニング屋さんに相談してみるのもありですよ。

いろいろと教えてくれるはずです。

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